アイキャッチ物語 #188「いたずら心は恋心」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

節分のリハーサルねぇ。
そこまで必要かな。
当日、走るだけでいいんでしょ?

そこの、赤鬼さん。
真面目にやりましょう。
ちゃんとバイト代出るんですから。

お姉ちゃん、お硬いなぁ。
巫女が豆を投げて、鬼が逃げる。
子どもでもできるよ。

これは神事の一環です。
真面目に逃げてくださいね。
鬼は~外~!

豆に勢いが無いなぁ。
しかも届かない。
鬼への憎しみを!もっとこめて!

そう言われても…。
あなたって、優しそう。
憎むなんて無理ですよ。

君の方こそ優しいよ。
演技でいいんだから。
ほら、豆投げてよ。

食べ物を投げるのも、ちょっと。
投げるより、食べさせたい。
ほ~ら、おいでおいで♪って。

鳩じゃねえよ!
クルッポ~。この豆、うまいっポ~♪
おびき寄せてどーするよ。

そうですよね。
境内から追い払わねば。えいっ。
拾い食いダメです!

3秒ルール適用。
おやつにちょうどいい。
カリカリしてうまいな。これ。

もう。真面目に!
…おいしいですね。
香ばしくって。

だろだろ?
当日それっぽくするから。
豆食って帰ろう。

そうですねぇ。寒いし…。
和んじゃだめですよ。
並んで豆を食べる神事じゃないので。

それ、やったら愉快だね。
お姉ちゃん、面白いなぁ。
子供のころからモテた感じする。

いいえ?
いつも近所の子にいじめられて。
さんざんでしたよ。

それって、好きってことじゃない?
子どもってそういうとこあるから。
やっぱりモテモテだ。

違います。
靴やシャーペン隠されて。
人を困らせて。まるで子どもの鬼です。

鬼か。そりゃ、手厳しい。
その子も思いが届かなくて気の毒に。
会って、聞いてみれば?

その子、引っ越したんです。
団地のお隣に住んでいたんですけどね。
今、どこにいるんだろう。

案外そばに居たりして。
俺の名前、節太郎って言うんだ。
せった、覚えてる?

町に戻ってきたの?
ぜんぜん知らなかった。
気づいてたなら、そう言ってよ。

俺だってそうしたかったよ。
でも、美人になってるし。
イテッ。無言で豆を投げるな。はな代!

思い出したら、腹たってきた。
下駄箱の靴を下駄に替えるし、筆箱に筆入れるし。
しょーもないイタズラばっかりして!

だって、おかしーよ。
下駄箱に靴、筆箱にシャープペン。
俺は正しいことをしたんだけど~。

私が怒っても、おばさんの後ろに隠れて!
相手が年下だから怒るなって。
この子鬼!ぜったい許さない!

うんうん。
いい感じに勢いがついてきた!
やったじゃん。これで当日は大丈夫だ。

そうね。
相手がせったなら、容赦しません。
その心から、子鬼を追い出してあげますよ。

 

 


 

はな代 はな代 翔愛学園高等部2年生

普段は大人しい女の子。
隣に住む年下の子鬼にいじめられていた。

節太郎 節太郎 翔愛学園高等部1年生

今は郊外の一戸建てに住む。
団地住まいの頃は、はな代にいたずらばかりしていた。

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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