アイキャッチ物語 #216「鯉のぼりが泳ぐ庭」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

うわー。
鯉のぼり、いっぱい。
すごいすごい。

美住、はじめて?
毎年やってるよ。
悠々と風に泳いでるなー。

うん、知らなかった!
こんなにいっぱい、なんで?
どっから持ってくるの?

子どもが大きくなったとか。
事情で掲揚できなくなったとか。
まぁ、色々で集まるんだよ。

ふーん。
みんな大人になっちゃって。
要らなくなるって可哀想。

そうでもないよ。
立派に成人するまで見守って。
今はみんなを楽しませてるんだ。

そーいや。
しょーちゃんとこ。
鯉のぼり出してるの?

あ~。うちはね。
アパートの二階だから。
こんな立派なやつじゃない。

そっかぁ。
場所を取るよね。
広い庭が必要だね。

町内に親切な人がいてね。
近所の男の子を呼んでくれて。
鯉のぼりをあげてくれてた。

へー、やっさしー。
なんかイイね、そういうの。
毎年?

うん、小学校の頃は毎年。
ここ数年は、腰が悪いみたい。
僕らも手伝っていたんだけどね。

そっかぁ。
じゃあもう見れないんだ。
鯉のぼりって、見るだけ?

うん。見るだけ。
あとは、縁側で柏餅食べて。
庭でサッカーかなぁ。

チャンバラじゃないの。
こうやって眺めてると、微妙に違うね。
あれなんて、鱗に金の縁取りがあるよ。

あ…。
あれは、おじさんのだ。
間違いないよ。金の鱗。

あぁ、腰が痛いんだっけ。
そっかぁ。
なんだか、寂しいね。

仕方ないよ。
おじさん、もうあの家にいないから。
この鯉のぼり、おじさんにも見えるかな。

え。
おじさん、どうしちゃった?
天国とか言わないでよ。

ほら、そこのマンション。
息子夫婦と住んでるんだ。
今日は久しぶりに遊びに行くんだ。

なんだ、変な想像した。
じゃあ、あの窓から見てるんだ。
その柏餅、ひょっとしてお土産?

うん。
今年は、あのベランダで食べるよ。
仲間が大勢で、鯉たちも嬉しそうだ。


 

美住 美住   翔愛学園高等部2年生

昇太郎の友だち。
河原の鯉のぼりを見るのは初めて。

昇太郎 昇太郎   翔愛学園高等部2年生

アパート暮らし。
町内会のおじさんと仲がいい。

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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