アイキャッチ物語 #27「お山の向こう、魔物のお屋敷」

 
いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
 

 

「はぁ~。自宅通学って面倒だよな。姉ちゃん」

「そうね。できれば人里近くに住みたいわね」

「毎日ひと山越えて通学とかありえなくね。俺らの脚力だからなんとかなるけど」

「遠すぎて友だちを家に誘うこともできないわ」

「ここに案内したら俺らが普通じゃないことバレちゃうしなー。両親そろって立派な毛並みの狼人間」

「私たちはまだ子どもだから特徴が薄いけどね」

「子どもでも人並み外れて脚が強いんだから、体育の時間は要注意。やりすぎ禁止」

「私よりシンが気をつけなさい。あなたすぐかっこつけたがるんだから」

「あー…」

「学園の寮に入りたいわね」

「厳しいんじゃないかな。夜は月の満ち欠けの影響で全身の体毛が増えてくる」

「夜は狼人間化しちゃうものね」

「あの男、ついてきてないな。匂いがしない」

「どうかしたの?シン」

「いや、なんでもない」

「あの3年生に心当たりがあるの?」

「げっ。なんで姉ちゃん知ってんの」

「背後から知らない匂いがしたら気づくわよ。夜が近づけば嗅覚だって鋭くなる」

「実は、手を使わずに脚だけで学園の塀を飛び越えたらかっこいいんじゃないかなーって出来心で、つい」

「呆れた!その現場を見られたのね」

「屋敷までついてこようとしてたけど、途中でバテたみたい」

「山のふもとをうろついてたわよ。私の後をつけてきてた」

「姉ちゃん自慢の脚で走って逃げた?」

「いいえ。何枚か写真を撮られたから、お話をしたわ」

「へぇ。話し合いしたら素直に帰ったの?」

「シンのこと、羽根のない天使だって思ったみたい。正体を暴くまで諦めないって言ってたわ」

「うわぁ。変なのに見られたなー」

「どうして正体なんか気になるの?って尋ねたら、真実を知るまでは受験勉強が手につかないからだって」

「なんでさ。そんなの勉強に集中できない言い訳じゃないの!?」

「そうね。私の大事な弟を部屋に散らばったゴミ同然に言われるのは気にいらないから、使い捨てカメラ取り上げたわ」

「姉ちゃん!例えはともかくグッジョブ!!!」

「あれってもろいのね。踏んだら簡単にぐしゃり。顔を真っ赤にしてたけど、私を見て逃げていったわ」

「姉ちゃん美人なのに。失礼なやつだな」

「いつの間にか月が出ていたのね。あの夜はとても明るかった」

「あー。スーパームーンの日があったっけ」

「うまく発音できなかったし、きっと普段より人間離れしてたわ」

「正体を見られて、またつきまとってこないかな」

「平気でしょ。校内でも視界に入る前に逃げてるのを確認してるもの。私のことを恐れているみたい」

「そっか。じゃあもう関わってこないね」

「あの夜、『食われる』って叫んでたけど、私にも選ぶ権利があると言い返したかったわ」

「冷静ですごいや。姉ちゃんなら寮に入っても生活できそうだね」

「当然よ。私、狼人間の子孫であることを誇りに思っているもの。逃げも隠れも誤魔化しもしないわ」

「前言撤回。やっぱり自宅通いのままで。別のトラブル起こしそうな予感がしてきた」

 

リリン

リリン 翔愛学園高等部 2年生
狼人間の子孫。普段は人間の姿。
普通の人間よりも身体能力は高い。
 

 シン

シン 翔愛学園高等部1年生
リンの弟で、同じく狼人間の子孫。
正体を怪しむ先輩につきまとわれている。

 

 

 

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)
背景:速水さん(ビジネスアカウント) 
 

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