写真と向き合ってみる[3]:超広角レンズに触れる

回想シリーズがもう少し続きます。
早く最新機材についての話へ進めたい気持もありますが、もうしばらくお付き合いください。
当時、幸運なことに仕事でカメラを使う機会に恵まれます。なぜ幸運かというと、まだデジタルカメラ全盛ではない時代、写真を多く撮ろうとすると、必然的にフィルム代、そしてプリント代がかかることになり、そのコストがなかなかたいへんでした。
そのころ私が大学時代のアルバイトから就職に至るまでお世話になった会社は、都市計画のシンクタンクでした。調査対象となる街並みや、建築物を取材撮影する機会が頻繁にあり、カメラに詳しいということで出番がまわってきました。会社のお金でフィルム代を気にせず撮影できる機会を与えられたことは、(もちろん撮影したフィルは会社のものになりますが)それだけ練習の機会を得られた、またとない経験になりました。

2本目に買ったレンズは超広角ズーム:SIGMA 12-24mm F4.5-5.6

都市の景観を撮るという目的が与えられたことで、写真に対する取り組みも変わってきます。さすがに機材を会社に買ってもらうことはありませんでしたが、少しでも良い成果を出したいと思い、自腹で広角端12mmの超広角ズームレンズを購入しました。

12mmという画角は、当時かなりのインパクトで登場したと思います。おおよそ人間の目に近い自然な画角が50mmというのは有名ですが、35mmだと広角寄りの標準、28mmだと普通の広角、24mm~20mmくらいだと結構広い、18mm以下は超広角といった感じになります。(いずれも35mm換算。APC-Cの場合は約2倍)

12mmというのは、普通の写真としては、かなり使いどころが限定されるのですが、その分コンパクトカメラでは絶対に撮れない写真になります。また24mmまでズームすれば、パースの違和感も少ない広角レンズとして使えます。

とにかく超広角レンズを使ったことで、一眼レフならではの雄大でインパクトのある写真を撮れたことは、満足感が高かったと記憶しています。

画質やスペックに関しては贅沢を言うとキりがないので控えますが、その後もデジタル対応やHSM対応などバージョンアップを繰り返して、販売期間の長いレンズでしたね。
手元のものは既に売却してしまいましたし、当時撮った写真も掲載できないのが残念です。(リバーサルフィルムは何枚か残っているのですが、高品質にデジタル化する手段が手元にないので割愛します)

2台目のサブカメラ:α-7xi

一眼レフカメラはレンズ交換が一つのだいご味ではありますが、屋外でのレンズ交換というのは、砂ぼこりやゴミの侵入、落として傷つけないかなど、なかなか気を使います。といっても、当時は現在のようにセンサーが見えるわけでもなく、いま程は気をつかわずにレンズ交換をしていましたが、シャッターチャンスを逃す可能性という意味では不便なことは変わりません。
そこで、広角ズームと望遠ズームをスムーズに使い分けるために、2代目のボディをサブ機として購入します。

ちょうどαが新世代になったことも、興味の対象でした。

購入したのはxiという新シリーズの中から、α-7xiという機種なのですが、デザインはカッコイイとはちょっと思えなかったです。
何より電動ズームと、ファンダーを覗いたときに画角まで変化するという、迷走ぎみなギミックが特徴でしたが、新しいもの好きなので、電動ズームに対応したxiレンズとういものも購入しました。

あまり愛着がわかない機種で、もっばらメインはα-8700iの方だったのですが、そのせいか、こんなエピソードがあります。
もともと機械好きなので、カメラの操作に不自由したことがなかったのですが、あるとき数か月ぶりにα-7xiを持ち出したところ、操作方法が全くわからない(笑)

操作といっても、AEモードを選んで、露出かシャッタースピードか、その両方を変えるくらいしかやることがないはずなのですが、そんな単純なことができなくなってしまい途方に暮れました。

今では実機もないので、本当にわからなかったのか、何をしたくてできなかったのか、振り返ることもできませんが、素早く的確に写真を撮るには、いざという時のために使い慣れておく練習も必要だなと実感したエピソードです。

おそらく電子化の波が急速に訪れ、その過渡期的なカメラだったので、操作方法が特殊だったりこなれてなかったせいだと思います。現在のデジタル一眼レフは、とても直感的になっており、知らない機種でも操作にとまどうことは少なくなりました。ただ、入門機などでボタン数が削られているととまどうことは今でもありますね。

リバーサルフィルムも使い始める

ボディ2台持ちをする頃になると、だいぶ写真の知識も増えはじめ(とはいえ、頭でっかちなスペックオタクではありましたが)ネガよりもリバーサルフィルム(ポジフィルム)を使い始めます。
あまり詳しく話しても今の時代に役に立たないエピソードなので、さらっと流しますが、ネガフィルムだとプリントするときに、カメラ屋さんがいい具合に調整してくれるんですね。ところがリバーサルフィルムだと撮ったまま現像されるので、写真の腕がシビアにわかる(失敗しやすい)。とか、暗い部分の表現が豊かで、重厚な雰囲気がだしやすいとか、粒子の細かいフィルムを選択できるとか、いくつかメリットがあります。

デジタル時代になると、自分でRAW現像をするのが当たり前になってくるわけですが、その辺の話はまた後日としましょう。

 

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