いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
お姉ちゃん!
友だちの言ったとおりだ。
ファームがキラキラだよ。
オーナメントがいっぱい!
これでツリーを作るんでしょ。
お姉ちゃん、工作とか得意だから任せて。
友だちの部屋で見たツリー、綺麗だったなぁ。
てっぺんの星がひときわ輝いて。
僕たちのツリーもあんなのがいい。
手分けして集めようよ。
色とりどりのリボンに、キラキラのボール。
どれも全部欲しくなっちゃうね。
ふぅ、こんなものかな?
時間がかかったけど、いっぱい取れた。
さぁ作りに行こうよ!
あ、待って。
てっぺんのお星さまがないよ。
あれれ?私のカバンに入ってない。
僕もだよ。
星がなくっちゃ完成しないよね。
また探さなくっちゃ。
この中から、星だけを見つけなくちゃ。
リボンやキラキラボールだけじゃ意味がないの。
ツリーの主役は星だよね。
どこにあるんだろう?
いくら探しても見当たらないよ。
もう全部拾われちゃったのかな。
…シッ。しずかに。
どこからか、小さな声がする。
『星はとっても孤高で偏屈』
お姉ちゃん。僕にも、聞こえた。
まるで星が自分の意志を持ってるみたい。
じゃあ、見つけられたくないのかな。
え~。それじゃ困るね。
ツリーが作れないよ。
星にお願いしてみようよ。
うん。
僕たちは星を必要としてるんだ。
星さん、どうか出てきてください。
来てくれたら、毎日眺めます。
そばにいると約束します。
だから星さん、来てください。
見て。
お姉ちゃんの目の前。
豆電球みたいな光が瞬いてる。
これが、星?
なんて小さくて弱い光。
でも、あったかい。
あはは、変なの。
星っていうから、眩しい光を探してた。
これじゃあ見つからないわけだね。
そうだね。
他の飾りが眩しすぎて、誰も気づかない。
きっと、寂しかったよね。ひねくれちゃうよね。
誰にも気づいてもらえない。
でもそこにちゃんとある。
星のくせに、僕たちみたいにちっぽけだ。
大事にしてあげよう。
大きなツリーのてっぺんに、飾ろう。
いつか眩しく輝くように。
芳乃 翔愛学園高等部2年生
杏平のお姉ちゃん。
杏平とは小さい頃から仲がいい。
文章:望月明音(ビジネスアカウント)