アイキャッチ物語 #170「僕たちのリトルスター」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

お姉ちゃん!
友だちの言ったとおりだ。
ファームがキラキラだよ。

オーナメントがいっぱい!
これでツリーを作るんでしょ。
お姉ちゃん、工作とか得意だから任せて。

友だちの部屋で見たツリー、綺麗だったなぁ。
てっぺんの星がひときわ輝いて。
僕たちのツリーもあんなのがいい。

手分けして集めようよ。
色とりどりのリボンに、キラキラのボール。
どれも全部欲しくなっちゃうね。

ふぅ、こんなものかな?
時間がかかったけど、いっぱい取れた。
さぁ作りに行こうよ!

あ、待って。
てっぺんのお星さまがないよ。
あれれ?私のカバンに入ってない。

僕もだよ。
星がなくっちゃ完成しないよね。
また探さなくっちゃ。

この中から、星だけを見つけなくちゃ。
リボンやキラキラボールだけじゃ意味がないの。
ツリーの主役は星だよね。

どこにあるんだろう?
いくら探しても見当たらないよ。
もう全部拾われちゃったのかな。

…シッ。しずかに。
どこからか、小さな声がする。
『星はとっても孤高で偏屈』

お姉ちゃん。僕にも、聞こえた。
まるで星が自分の意志を持ってるみたい。
じゃあ、見つけられたくないのかな。

え~。それじゃ困るね。
ツリーが作れないよ。
星にお願いしてみようよ。

うん。
僕たちは星を必要としてるんだ。
星さん、どうか出てきてください。

来てくれたら、毎日眺めます。
そばにいると約束します。
だから星さん、来てください。

見て。
お姉ちゃんの目の前。
豆電球みたいな光が瞬いてる。

これが、星?
なんて小さくて弱い光。
でも、あったかい。

あはは、変なの。
星っていうから、眩しい光を探してた。
これじゃあ見つからないわけだね。

そうだね。
他の飾りが眩しすぎて、誰も気づかない。
きっと、寂しかったよね。ひねくれちゃうよね。

誰にも気づいてもらえない。
でもそこにちゃんとある。
星のくせに、僕たちみたいにちっぽけだ。

大事にしてあげよう。
大きなツリーのてっぺんに、飾ろう。
いつか眩しく輝くように。


 

%e8%8a%b3%e4%b9%83芳乃 翔愛学園高等部2年生
杏平のお姉ちゃん。
杏平とは小さい頃から仲がいい。

%e6%9d%8f%e5%b9%b3杏平 翔愛学園高等部1年生
いつもお姉ちゃんと一緒。
いつまでも姉ばなれできない甘えん坊。

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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