いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
和ちゃん。ほんとにこっち?
駅前からどんどん離れちゃうよ。
人がいなくなって、心細い。
雪ちゃん、泣かないで。
おかしいねぇ。
西口から徒歩一分って、この辺なのに。
隠れ家っていうから、通り過ぎちゃったんだよ。
ふぇぇ…。
もうお家に帰りたい。
雪ちゃんの方がお姉ちゃんでしょ~。
私まで悲しくなっちゃうよ。
じゃあ、もう学園に帰る?
うぅ、それもやだぁ。
クリスマスコンサート見たい。
ライブのお店ここから遠いかな。
待ってね、地図見るから。
南口からだと、わかりやすいみたい。
駅の構内に戻ろうよ。
足が疲れちゃったよ。
この辺に喫茶店あるかな。
休みたいよう。
そうだね。30分くらい迷って疲れたね。
南口にはバーガーショップあるよ。
とりあえず、そこまで行こう?
ポテト食べたい!ポテト!
あれ。ねぇ、黒猫だ。
見て見て。黒猫!
袖を引っ張んないでー。
連呼しなくても、見えてるよ。
目の前にいるね。黒猫。
毛並みつやつやしてる。
どっかの飼い猫かな?
赤い首輪してるよ。
雪ちゃん。元気じゃない。
足が疲れたんじゃないの?
黒猫見た途端に駆け寄っちゃってさぁ。
だって、ほら、かわいい。
小さいよ。お目々くりくりだよ。
お家に連れて帰りたい♪
だめだって。
雪ちゃん、猫が怖がってる。
少し離れよう。
えー?
怖くないよ。
私は雪乃。あなたはだぁれ?
ほらほら、立って。
黒猫だって、お家に帰るよ。
私たちも移動しよう。
そっかぁ。
黒猫ちゃん。ばいばーい♪
なんだか元気になっちゃった。
それは良かったね。
さぁ駅まで戻ろう。
雪ちゃんが先に行って。
どうして私が先?
並んで行けばいいじゃない。
和ちゃん、引率の保護者みたい。
だぁって。
さっきの黒猫の元に戻るかも。
雪ちゃん、すぐ脱線するんだから。
しないよう。
ライブハウス行かなくちゃ。
クリスマスコンサート楽しみだもん。
うんうん。
あれ、さっきの黒猫。
足の間くぐってった!
わぁ、さっきぶりぃ。
おうち、こっちなんだね。
途中まで一緒に行こうね。
あの子、歩くの速いね。
もう1メートルくらい離された。
負けないよ!
和ちゃん!?
黒猫と人間が張り合ってどうするの。
負けず嫌いさんなんだからぁ!
うしし。
追い抜いてやった。
って、もう抜かれた!
待ってよう。
そんなに急いで行かないで。
和ちゃん。あとでポテトおごってねぇ!
えー。やだ。
雪ちゃん、足おっそい!
黒猫、あの角を曲がったよ。
駅に戻るんだよね?
一度も曲がらなかったよね。
ねぇー?
うん。駅は向こう。
でも、今はこの猫を追い越したい!
振り向いたあの顔、とっても挑発的だよね!
挑発なんてしてないよ。
めっちゃくちゃカワイイ!
あ、また角を曲がっちゃう!
あー。ずるい!
こんな隙間、人間が入れるわけない!
こら、塀の上から降りてきなさい。
きっと、いつもの通り道なんだね。
和ちゃん、あきらめて駅に行こうよ。
ポテトはLがいいな。
だから、おごらないってば。
いくら親友でも、下級生におごらせる?
チーズバーガーと交換なら考えてあげる。
え、そっちのほうが高くない?
まぁ、お洋服代浮いたからいいけど。
あーあ、お店に行きたかったな。
残念だったね。
でもなんで急にあのお店?
商店街でもお洋服買えるよね。
んーと。夢に見たの。
夜空に金の糸で星が描かれていくの。
刺繍みたいだなって、綺麗だなって。
話が飛びすぎてよくわかんない。
そこって、刺繍で有名なお店なのね?
ライブは夜だから、のんびり戻ろう。
和ちゃんと迷子になって、楽しかった。
動物を追いかけて路地に入るなんて、アリスみたいだったね。
ちょっと、わくわくだね。
次に来るときは、ちゃんと道を調べておくね。
あと、あの黒猫!
次に会ったら、絶対に追い抜く。
あは。
和ちゃんの負けず嫌い♪
そういうとこ、大好きだよっ。
雪ちゃん。
ここの軒先、お洋服並んでるよ?
もしかして、ここじゃないの。
え?
さっき通ったときは普通の路地だったよ。
まさか見落としてたのかな。
ううん。私も記憶にないよ。
もしかして、今から開店かも?
雪ちゃん。やったね!
わぁ。そうかな?
だったら嬉しい!
黒猫のおかげかも。
そうかも?
うちらじゃ、ここまで来てないよね。
ほんとに隠れ家だね。前を通っても気づかない。
和ちゃん、知ってる?
このお店、魔女がいるんだって。
黒猫って、魔女の使い魔だよ。
またまたぁ。
雪ちゃんにかかると、全部ファンタジーになっちゃうね。
早くお洋服を選んで、ライブハウスに行こう!
和枝 翔愛学園高等部1年生
普段はとても冷静なのに、挑発されるとすぐ熱くなる負けず嫌い。
文章:望月明音(ビジネスアカウント)