いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
まさくんがさ~。
「今日のデートは教会スタート!」
なんて言うから、焦っちゃった。
ミサトの返事、マジ受ける。
「結婚式!?ドレス無いよ!!」
気が早すぎるっつーの。
だって、恋人に誘われたらね。
あっ!
イタタタァ。
あーあ。転んだ。
雪で滑った?
気をつけなきゃだめだよ。
段差あるの、忘れてた。
あーあ、コートが濡れちゃった。
やだ、かっこわるーい。
ちょい、失礼。
コートだけで済んで良かったな。
中は濡れてない。
ちょっ!?
確認しなくていーよ。
コート、乾くかなぁ。
暖房くらいつけてるよ。
用事を済ませる間に乾くだろ。
早く入ろう。寒くてかなわない。
おじゃましまーす。
わぁ、ぽっかぽかだよ。
この中は春みたい!
お邪魔します。
コート、脱いで。
そこのイスにかけておこう。
うん。
恋人の掲示板って、どこかな。
壁にはそれっぽいの無いよ。
シスターに聞こう。
恋人の掲示板どこですか?
わかりました。ありがとうございます。
ああ、ここに記帳するの?
壁に掲示かと思ってた。
書いた人の名前、見えないのね。
デリケートな部分だからな。
さて、俺らも書こう。
ミサト、永遠にラブユー。
せっかくの無記名が台無し!
名前は書かなくていーの。
書いた?じゃあ、次は私ね。
手で覆って隠したな。
見せろって、こら。
何も書いてないじゃないか。
いざ書こうとすると、浮かばないね。
バレンタインだから、付き合いました。
とか、だめだよね?
えー。ミサト、そんなノリ?
俺と付き合うって、その程度?
はぁ、書き込み消そうかな。
違うの!
ごめん、そうじゃなくて。
本当にこれは恋なのかしら、と。
違うの?
俺は、すっごい嬉しかった。
やっと気づいてくれたか!って。
やっと?
私から告白したんでしょ。
まさくん、ずーっと親友で。
うん。入学の頃から親友だけど。
ミサトちっとも気づかないから。
脈なしなら、別にそれでもいいかと。
それなら、アピールしようよ。
あたし、自慢じゃないけど鈍いよ?
言ってくれなきゃわかんないから!
してたよ、ずっと。
重い物持ってやったり、傘に入れてやったり。
それ、ただの親切心じゃないぞ。
え、違うの?
まさくん、普通にいい人認定してたよ。
あとね、アメくれる人。
あれだって、意味があるんだぞ。
まぁ、いいや。
書きたくないから、もう帰ろう。
書かないわけじゃなくて!
毎日アメで餌付けされました。
これでどう!?
餌付けと違う。
まぁ、それでいいか。
これで正式に恋人ってことで。
そうだね。
じゃあ、帰ろうか。
コートもほら、乾いたみたい。
それは良かった。
ところで、カバンは?
さっき持ってたろう。
あら、無い。
転んだ時、落としたかな。
急いで探さなくちゃ。
貴重品?
まず、コート着ろ。
外は雪が積もってる。
うん。着たよ。
それじゃあ、お邪魔しましたー!
うう、さむーい。
カバン、カバンっと。
あった。階段の脇に落ちてる。
やけに重いな、これ。
見つかった?良かったー。
これ、大事なの。
中身は、開けてみて。
見ていいの?
どれどれ。
アメがぎっしりだ。
それ、今までもらったアメだよ。
もったいなくて、食べてないの。
カラフルで宝石みたいだよね。
ミサトが宝石好きって言うから。
喜ぶかなって。
本物のほうが100倍嬉しいだろうけど。
比べられないかなぁ。
宝石は、ただの石だもん。
こっちは食べると甘いよ。
文章:望月明音(ビジネスアカウント)