いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
「なんでここにたけるが来てるの!?」
「彩優こそ、お洒落してレストランに何の用だ」
「友だちがディナーチケット持ってるから誘われたの」
「ふーん。俺というものがありながら、他の男か」
「女の子よ!!私たち、喧嘩中じゃなかった?話しかけないでよ」
「俺もある人に誘われたんだよ。ちっ電話に出ないしメールも返事なし」
「そっちも?このまま店の前に立ってても仕方ないわね。移動しましょ」
「どこに。俺らこんなにお洒落してんのにどこ行くんだよ」
「そうね。この前デートの待ち合わせに使った木陰あたり?」
「木陰はやめとこうぜ。またこないだみたいに喧嘩になりそうだ」
「たけるがデートすっぽかしたんだったわね。観たい映画あったのに」
「映画か。見に行くか?」
「は?お互いに人待ちしてんでしょ。そんな時間ないわ」
「それもそうだ…じゃあ、どうするよ。ここでずーっと立ってるのもな」
「たける、あの日どうしてすっぽかしたの?理由を聞いてなかった」
「うん。聞かずに激怒で『絶交!』だったから、言ってないな」
「友だちが『彼氏さんはプレゼントを選んで遅くなったんじゃないか』って」
「あぁ…プレゼントだったな。今日は寮に置いてきたけど、あれで遅くなったんだ」
「それって身につけられるものだったりする?」
「身に付ける…人もいるかな」
「そうなのね。気付かずに怒ってごめんね。たけるが私のことそんなに想ってたなんて嬉しい」
「そ、そこまで喜んでくれるなんて。いちごっぺのぬいぐるみ」
「…?ワンモアプリーズ?」
「ほら、町内で前に流行ってたいちごのキャラ。あれがゲーセンのクレーンに入ってたから、彩優欲しいだろうなぁって」
「恋人にプレゼントするなら、指輪とかネックレスでしょうが。ぬいぐるみなんてどこにつけるのよ」
「スマホとか、腰にぶら下げるじゃん」
「でかすぎるわっ!…もう、期待して損した。たけるにそんなデリカシーあるわけなかった」
「なんだよ。こんなイケてる執事捕まえて」
「カッコだけでしょ。友だちがあんな事言うから、すっごい期待してたのに」
「お、メール来た。どれどれ…『彼女とディナーするからお前いらん?』はぁ?なにそれ」
「友だちからだ。…『彼氏とディナーすることにしたので、そっちもデート楽しんでね』だって」
「いらんってなんだよ。レストランに行くからTPOに合わせた格好してこいって言ったくせに!」
「二通目来た。『追伸。彩優の恋バナの愚痴はいい加減うざいので、後は彼氏に聞いてもらうべし』」
「俺ら揃って予定キャンセルされるなんて、できすぎじゃないか」
「そうね。まんまと嵌められたようね」
「行くか。レストラン」
「確か一枚で四人までオッケーだったよね」
「あの日のデートの続きするぞ!ついてこい!」
「映画見てファーストフードのはずが、すごい豪華になったね!!」
「彩優お嬢様、私めのお手をどうぞ」
「えっ」
「えっ、じゃないよ。そういう時は素直に手を乗せてエスコートさせるんだよ。恥かかせんな」
「そ、そうね…。では参りましょうか」
「彩優はお淑やかな雰囲気も合うんだな。本物のお嬢様を連れてるみたいだ。道行く人が見てる」
「それは…たけるが今日は一段とかっこいいからだよ」
「ん?俺がなんだって?ぼそぼそして聞き取れなかった。ワンモアプリーズ」
「もぉ、にやけてるじゃない。聞こえてるくせに」
「お、先輩たち発見!もう店の中入ってる!タダ飯ゲットだぜ」
「もぉ!そんな姿でそういうこと言わないの!ムードぶち壊し~!!」