アイキャッチ物語 #238「遠くで悲鳴を聞きながら」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

おう、ただいま。
佑、留守番おつかれさん。
誰か通った?

いや、全然。
あ、また悲鳴だ。
沼に移動した方が良くね?

お化けだらけも興ざめだろ。
俺らはのんびりやろうぜ。
ここも肝試しエリアだから。

くんくん。
なんか臭うぞ。
どっからだ?

おい、スマホのライト消せよ。
眩しいからさ。
暗がりで見るとチカチカするよ。

ああ、ごめん。
お前、その鎌なんだよ。
赤く濡れてるぞ?

ああ、これ?
そこの畑で食べてきた。
スイカ、うまいな。

それでいなくなったのかよ。
ただのサボりじゃないか。
トイレかと思ってたのに!

今度は佑が行ってきていいぞ。
スイカ、甘いぞ~。
この鎌、貸してやるよ。

いや、いいよ。
俺の衣装にシミが付く。
母ちゃんのシーツだから、これ。

じゃあ穴なんか空けるなよ。
返す時、どうするんだ。
しーらね。

衣装を買う金が無い。
このスマホだって、古いしさ。
ほら、表面が傷だらけだろ?

だから、ライトはよせって。
虫が寄ってくるから。
光に群がる虫って怖いよな。

わかる、それ。
背中がむず痒くなるよ。
どっから沸いてくるんだか。

そうそう。
あれ、なんだ。
背中が痒くなってきた。

あはは。
気のせいだよ。
秀は繊細だなー。

違うよ。
本当に痒いんだって。
佑、見てくれよ。

ライトつけるぞ。
お、これはすごい。
背中にカブトムシがいる。

げっ!?
取って取って!
俺、虫は苦手なんだよ。

スイカの匂いに誘われたかな。
なぁ、今から沼に移動しないか。
レアなカブトムシが飛んで来るかも!

え、やだよ。
あっちは虫がたくさん出るし。
お前、欲に目が眩んでいるだろう!?


 

佑 佑  翔愛学園高等部2年生

納涼会の参加者。
新しいスマホを買うお金が欲しい。

秀雄 秀雄  翔愛学園高等部2年生

佑と同じく、納涼会のお化け役。
大の虫嫌い。

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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