いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
陽児ったら、そのリボンどうしたの。
これは俺の決意のあらわれ!俺は今日から姫になる!
ひめ?お姫様?
ゆうべ、親戚が集まってクリスマス会やったんだよ。そこに9歳と6歳の姉妹も来てたの。
うん。それから?
姉はジュースこぼしても放置だし、妹は俺のスパゲッティにフォーク突っ込んでかき回して勝手に食うんだな。
親は叱らないの?
大人たちはビンゴに夢中。俺が掃除したんだけど、その後も俺のピザを食い散らかす妹にポップコーンをこぼしながら食う姉。
あらら。大変だったね。
ここはお兄ちゃんとして怒ってやらねば!と姉妹を呼びつけて注意したら大泣きされて、うちの親が飛んできたんだな。
小さい子を泣かしたって怒られるパターン?
まーそんなとこ。俺、一晩じっくり考えたね。そしてわかった。やつら、自分が悪いなんて思ってない!
話をきいてたら童心にかえりそう。私も悪気なくやってたかも。
お前らどんだけフリーダムに生きてんの?て、それでも周囲から愛されてる自信があるんだろーなって目眩がした。
うんうん。そのうち世間がわかってきて見た目を取り繕い始めるのよね。
あいつらは姫だ。泣けば誰かが飛んできて、擁護してくれるのが当たり前のお姫様だ。羨ましいから、俺も姫になる。
それは飛躍しすぎでしょー。
だけど、嫉妬するほど羨ましい!俺だって、みんなに愛されて当然だって顔して生きてやる!
それでリボンねぇ。べつに服装はお姫様に関係ないんじゃない?
見た目が可愛いに越したことない。
うーん。…そういえば、喉かわいたけどジュース買ってきてよ。
えぇ?自分で行けよ。
紀美、今日の靴おろしたばっかりで踵が痛いんだよね。
しょうがないな。じゃあ、ついでに保健室で絆創膏もらってきてやるよ。
ほら、陽児はお姫様になれないよ。
は?
尽くすのが好きな人は、相手をお姫様にしちゃうの。きっと姉妹のお世話をせっせとしてたんでしょう?
ふーむ。確かに、連中のお世話係にされてたよーな気がする。陽児がいるから安心ね♪とか言って。
陽児には姫より執事が似合うんじゃない?みんなに愛される姫か、たった一人の主に愛される執事か…。
そう言われると執事もいいな。明日から懐中時計を身につけよう。
まーた形から入るのね。そのうち紀美の執事見習いにしてあげる。
なんで紀美の。
だって女の子は生まれた時からお姫様だもの。紀美も心のなかでは、いつでもお姫様よ。