いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
「部長、私と二人しか居ないんだから挨拶はよしましょうよ。あと、声が大きいです」
「月一しか活動しないのだ。部長唯一の晴れ舞台を邪魔するでない。部員ナンバー004映美奈よ!」
「私が映画愛好会で一番新人なのに、4番というのが切ないですね」
「仕方がないではないか。月一オフ会で映画を観て感想を言い合うだけの愛好会、人が集まらんのだ」
「あら。私はそういう気楽な集まり好きですよ。濃い人間関係って色々面倒じゃないです?」
「我が愛好会は気楽さが売りだ。だが、こうも集まりが悪いとさすがにへこむぞ」
「まぁまぁ。私のポテトあげますから、機嫌直してください。映画を観た後はファーストフード店でおしゃべり。定番ですよね」
「うむ。ここのフライドポテトは絶品。今日も『天使の涙』は良かった」
「部長は『天使の涙』好きですもんね。私と出会ったのもあの映画館でしたね」
「うむ。同じ作品好きというよしみで愛好会に勧誘したからな。映美奈との出会いは必然だったといえる」
「部長ってたまに言うこと大げさですよね。さすが映画ファンというべきか」
「映画ファンではなく、高校生映画評論家・長治氏と呼んでくれていいんだぞ」
「嫌です」
「笑顔で拒否るな。さて気を取り直して、映画の感想でも言い合おうか」
「えっ。また新しい発見あったんですか?」
「当然!良い作品は何度観ても新たな発見がある!今日は、すごいことに気づいてしまったんだ」
「すごいこと…?」
「私の理想の女性は玉野さんだった!あの若い女性には無い海のような理解力と包容感!私もあの中に混じって彼女に愛されたい!!」
「そ、そうですか。へぇ・・・。そういう目で見る人、いるんですね。守備範囲広いや」
「こらこら、目をそらすな。映美奈だって奏太君かわいいとか先月言ってたろう」
「そ、それはいいんです。実際かわいいんですから」
「理事長は、何も変わらないよな」
「それは言わないお約束でしょう。たぶん」
「ポテト、うまいな」
「たわいない話しながら食べるジャンクフードっておいしいですね」
「こんな時間を過ごしたくて映画愛好会作ったんだよな」
「そうなんですか?」
「うん。鑑賞中は同じ場面で笑ったり泣いたりしてる観客が、映画終わるとみんなバラバラじゃないか。ふと寂しくなるんだよな」
「あぁ、そうですね。同じもの観たのに興奮を伝え合ったりできない」
「だから、一緒に観ようぜって」
「私も一人で観て帰るだけで、感想は寮の日記に綴るだけでしたね。友だちから返事はないし、誰の反応もないのが当たり前でした」
「映美奈も同じ不満抱えてそうだなってピンと来たんだよな。でも、しょせんは自己満足なのかな」
「そんなことないですよ。同じ趣味や嗜好を持って、お互いを助けたり支えたりするのは素敵なことです」
「私が喋りたいだけなんだけどな」
「私だって負けないくらい喋りたいです!奏太君の跳ねた髪の毛ブラシかけてあげたいとか!」
「このショタコンめ」
「熟女好きな人に言われたくないです。…ポテト、私の分が残ってないですよっ。勝手に食べ過ぎ!」