いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
「よぉ!やっぱりここだったな。久里子」
「なんだ敏夫か」
「そろそろトークショーの時間だろ。アイドル衣装に着替えてこなくていいのかよ」
「んー今日は休む。やらされてる感がきつくって。告知はしてるから、来た人には謝るよ」
「いい加減なやつー。自分がアイドルやりたいって言い出したんだろ」
「学園生活を楽しむならスクールアイドルって流行に乗っかってみただけだし…」
「じゃあ、そろそろアイドル辞めて同好会に戻ってこいよ。お前、部長だろ」
「部室を作ってみたかっただけだもん。特に活動してないじゃない」
「部員たちがお前の作品を完成させて、学園祭に出すって言ってるぞ」
「そうなの?あれ途中までなのに…。そっとしておいてよ」
「楽なことばっかりつまみ食いしてると、誰も居なくなるぞ」
「でも、楽しいことしかやりたくない」
「アイドル楽しんでたじゃないか。花壇でトークショーすると、たくさん人が集まってくるって」
「来るのは友だちばっかりよ。公認アイドルさんみたく純粋なファンじゃないの」
「友だちだって純粋なファンだろ」
「アイドルになったら、また学園生活が面白くなりそうだったのに、何やっても退屈」
「それなら部活やろうぜ。部員たち、部長を喜ばせたいって頑張ってる」
「ものづくりは詰まると苦しいから、やだな…」
「ふむ。それで手近なアイドルか。わっかりやす」
「うっ…。本気でアイドルになれるなんて思ってないから!」
「いや、久里子は元々アイドルじゃないか」
「えっ」
「こんだけ周囲に慕われて気づかないかね」
「当たり前すぎて、気づかないわよ。いちいち道端の花なんて見ないのと一緒」
「久里子の作品は夢オチにして完成させる予定だったりする」
「よりによって!?人の名前使ってろくでもない話にしたら怒るわよ」
「怒っていいのは、参加してる人だけ。なにあの下手くそ作家と後ろ指さされながらアイドル活動するといい」
「ちょっとそれ、ひどいわ」
「こんなに俺たちに愛されてるのに、秋空の下でひとりぼっち気取ってるお前が悪いんだ。はっはっは」
「私にも戻れる場所がちゃんとあるのね」
「この学園でずっと過ごして、今ごろそんなこと言うのか」