アイキャッチ物語 #32「翔栄町の喫茶店~新人バイト実乃梨」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

 

 

 

いらっしゃいませ!お一人様ですか?

新しい子?…俺、ここのバイトなんだけど。

ごめんなさい!今日から入ったので知らなくて!

いや。通用口使わない俺も紛らわしいし。君、2年の実乃梨ちゃんだよね?

はい、そうですけど。…どこかで会いました?

えぇ…ちょっとその反応はひどいな。俺、隣のクラスのマサル。知らない?

……?

いや、いい。今の沈黙で十分わかった。これからよろしく。

はい!がんばります!

んじゃ、着替えてくっから。…店長おはよーございますー。ちょ、ナンパしてねーし。

楽しそうな人だなぁ。いいバイト先紹介してもらえたかもっ。

おまたせ!どう?俺のウエイター姿!かっこ良くね?

ええ、ステキです。

よっしゃー!カワイイ子に褒められるとモチベあがる!

お客さんはいらっしゃいませんね。いつもこうなんですか?

午後3時過ぎたら次は7時ごろかな。夕飯を食べる人が増えるね。退屈?

いえ、さっきまで1人で忙しかったので、少し休めるかなと。

単語帳でも読んでれば?勉強しないと学年首位キープできないぞ。

その辺は大丈夫です。頭に入れてるのでいつでも暗唱できます。

くっ。秀才だったか。いやみったらしい~。

ごめんなさい。そんなつもりじゃないんです。

俺なんて勉強ちっとも頭に入らないんだよな。本読むなら寝てるほうがいいくらいだ。

私は、卒業したら就職して自立するんですよ。だから勉強もお金も必要なんです。

ほう。そりゃ立派な将来設計だ。俺なんて女の子と遊ぶ資金が欲しくてやってるし。

そうなんですね。楽しく遊んでいられる人は幸せですよ。

俺だって、学年首位になれたらちゃんとした将来設計できるのにな。

首位になれなくても、将来設計は大事ですよ。

はー。同じ学校に通ってるのに、こんなに境遇が違うのか。神さまは不公平だな。

1時間ぶりのお客さんですね。私、行ってきます。

お、ありゃ常連のおじさんだ。いつものって言うから、わかりましたって下がっといで。

いらっしゃいませ。お一人様ですね。…いつものですか。かしこまりました。

おっけ。あの人、ブラックだから。ちょっと待ってな。

教えてもらったら、私がコーヒー淹れますよ。なんでもできるようになりたいんです。

今日来たばっかの人間に、喫茶店の味を習得されてたまるかよ。店の財産だぞ。

ごめんなさい。出すぎたこと言いました。

いや。そこまで恐縮しなくてもいいけど。そのうち店長が教えてくれるだろう。

ほんとですか?うれしいです!

同じ年なのに敬語使わんでいいけど。あと、さっきから謝ってばっかり。

ああ。ごめんなさい。ついクセで敬語が…あ、また謝っちゃった。

なんでそう謝るんだ。こっちが悪いことしてる気分になるじゃないか。

マサルさんはいい人ですね。うちの両親は、私が謝らないと喧嘩をやめないんですよ。

へぇ意外だな。君、親を怒らすことしてるの?

いえ。両親はお互いが悪いと決めてかかってるので、私が悪いことになれば仲直りするんです。

ふーん。謝ってやることないじゃん。そんな成人してるくせにガキみたいな連中ほっとけよ。

気づいたら、両親の不仲の原因は私になってました。だから、卒業したら家を出るんです。

ほう。なるほど。よし、ブラックおまちどう。こぼさず持って行けよ。

はい!ありがとうございます。…お待たせしました。

俺がコーヒーの淹れ方バシッと教えてやるかな!どこ行っても可愛がられるように。


実乃梨

実乃梨 翔愛学園高等部2年生

実家通いで、勉学に勤しむ。
学年首位をキープしつつ、アルバイトにも積極的。

 マサル

マサル 翔愛学園高等部2年生

勉強は割りとそこそこできる。
むきになって勉強するのも楽しくないので、バイトをやってる。
現在の目標は女の子と遊ぶ資金稼ぎ。

 

 

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)
背景:ゴルさん(ビジネスアカウント)

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