いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
淳貴くん、いらっしゃい。まるでパーティに参加するみたいな格好ね。
美弓さんからの呼び出しに普段着なんてありえないですよ。
そんなに構えなくっていいのよ。さ、あがってちょうだい。
お邪魔します。電話で言ってた渡したいものってなんですか?
台所にあるから、そこのテーブルにでも座っててね。
部屋中に甘い匂いがしますね。
うん。さっきまでお菓子作ってたから。
この時期に手作りお菓子ですか。誰にあげるんですか。
えっとね。部の後輩にクラスの子に先生かな。
そんなに!?美弓さん、それはマズイですよ。
ちゃんと味見してるよ?
じゃなくって、そんなに大勢にチョコを配ったら誤解のもとですって。
春には卒業だから、お礼にクッキーでも配ろうかなって。
ちょうどバレンタインだから、紛らわしくないですか。
卒業準備で忙しくて気づかなかった。そうね、そんな時期ね。
美弓さんは男子に人気あるんだから、誤解を招くと大変なことになりますよ。
私が人気?ご冗談を。
料理もできて、親切で優しくて、男子の憧れですよ。
うちのママみたいになりたいだけなんだけどね。はい、これは淳貴くんの分。
クッキーをくれるために呼び出したんですか。なぁんだ。
なぁんだって言い方は無いわね。
だって、バレンタインに呼び出しですよ。男友だちを敵に回す覚悟までしたのに。
あ、そっか。期待させちゃったんだね。
俺、美弓さんなら大歓迎だから敵に回しちゃってもいいんだけど。
そうなの?
貸したゲーム返せって言われたらちょっと困るかな。まだ終わってないし。
でも淳貴くん。私が人気なんて冗談だよね?今まで誰からも告白とかされたことないよ。
そりゃあ、お互いに牽制してるからじゃないかな。水面下で火花バリバリですよ。
え~全然気づかなかった。誤解のないように配布しなきゃ。
じゃあ、クッキーありがたくもらっていきます。
あ、待って。
なんですか。
せっかくだから、ここで食べていきなよ。飲み物、用意するから。
んー。じゃあお言葉に甘えて。
少し待っててね。
美弓さんのクッキー、見た目も味もプロ顔負けだなぁ。
素人にしては上手って域から出てないよ。はい、飲み物おまたせ。
これは…。チョコレートだ。
うん。ホットチョコレート作ってみたの。告白してくれたお礼だよ。
美弓さんが恋人になってくれるなら、世界中の男を敵に回してもいいんだけどなぁ。
世界中の人は私を知らないと思うよ。
ごちそうさまでした。お菓子作りを仕事にして正解ですよ。
淳貴くんの気持ち、嬉しかった。でも、他のことで頭いっぱい。
今は進路が最優先ですよね。それじゃ、また学校で!
うん。またね。
あーあ、一晩くらい俺のことで悩んで欲しかったなぁ。…告ったの秘密にしとこ。