アイキャッチ物語 #14「おばあちゃんの家。一斗缶の思い出」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。


「ただいまー!!麦茶だ麦茶ー」

「こらっ。裸足で木登りしたんだから、上がる前に足の裏を洗いなさいっ」

「やかましいなぁ。へいへい。あー喉かわいて倒れそうー」

「もう。ちゃんと用意しといてあげるから、その間に庭で洗ってらっしゃい」

「姉ちゃん女神様!ついでにお菓子もよろしくっ!」

「あらあら。姉をあごで使おうなんて、いい度胸ね?」

「げ、怒った。みおお姉さま、洗ってまいりますっ。こそこそっ」

「あら。卓に冷えた麦茶とお菓子の缶、用意してあるじゃない。おばあちゃんかしら」

「軒下に自転車がないから、どっかに用事かな」

「一人で出かけなくたっていいじゃない。ほら、タオルで水を拭きなさい」

「ありがとー!俺らも遊びに出かけてたんだからおあいこでしょ」

「お買い物なら荷物持ちやるのにな…純が」

「俺だけかよ!あっ。缶の中、乾燥剤しか残ってない!俺のお菓子はどこいった!犯人は誰だ!」

「全部食べてしまったんじゃない?純が」

「犯人は俺か!じゃなくてーじゃなくてー。明日の朝には翔栄町に帰るのにお菓子の食べ納めしたいぞー!あっちじゃ売ってないもん」

「地元銘菓だものね。それはそうと、純。夏の宿題は終わったの?」

「な、なんのことかな。こどもだからわかんない」

「寮に居ると勉強が捗らないって言うから、田舎に来たのよ?ゲームもネットも漫画も絶って勉強しかやることないでしょう?当然、で・き・て・る・わ・よ・ね?」

「えーっとえーっと、自然観察で忙しかったかな」

「河原の石のどれが一番丸いか選手権とか、蝉の抜け殻探しとか、余計なことばっかり夢中になっちゃって」

「つるんつるんの丸い石を見つけると嬉しい。蝉だって、抜け殻の隣で薄い羽根を開いて並んでると面白い!」

「純は楽しいことを見つける才能を持ってるのね」

「カブトムシ探すから、木登りもすっかり得意になった!」

「うんうん。健康的でとってもよろしい。でーも、宿題はどうするの?」

「帰ったら本気出す!」

「うふふ。嘘おっしゃい。ほっぺた、ぎゅーするわよ?」

「ひぃっ。今からやります!やらせていただきます!」

「純は素直でいい子ね。おばあちゃん、まだ帰ってこないね」

「宿題なんてやりたくない。こんなの学生生活の邪魔だー」

「いつか懐かしいと思う日が来るわよ。卒業したら夏休みの宿題なんて無いんだから」

「ほんとかなー?」

「ところで、おばあちゃん。どこかで倒れてないわよね。こんな暑い日に自転車ってことは、日傘もさしてないんでしょうし」

「姉ちゃんは心配しすぎだよ。ほら、農作業用のつば広帽子もないじゃない。あれかぶって出かけたんでしょ」

「だといいけど。行く先もわからないし探しようがないものね」

「あ、外で物音がした。…みおって呼んでない?」

「え?あぁ、金物がぶつかるような音がする。見てくる」

「いてら~。えー毎日の天気を書け?ネット無いから調べられーん。初手で詰まった!無理だ!」

「階段下の新聞を探してきなさい。あ、おばあちゃん。おかえりなさい。どこに行ってたの?…あら。新しいお菓子の缶…」

「お!もしかして切れてたから買ってきてくれたの!?おばあちゃん、ありがとう!」

「純、食べる前に調べ物終わらせようね」

「ちぇ。わかったよ。ネットがないとこんな調べ物もアナログとか面倒くさい」

「ふふ。がんばって。ん?これは宅配便の伝票ね。純あてにお店からお菓子を寮まで直送?あらあら、後でお礼言わないとね」

「お菓子を!?うわ、嬉しい!!」

「きっと純がこのお菓子大好きだからお土産に持たせてくれるのね。でも、宅配便を使わなくても持ち帰るのに。…純が」

「いやいや、一斗缶はかさばるから持てないよ!でも、ちょっと見せて?1缶3キロ入りが…20缶?」

「20缶…」

「どんだけ好きでも食べ過ぎて胸焼けするよ!」

「おばあちゃん、純を喜ばせたくて奮発してくれたのね」

「これもいつか懐かしい思い出…なのかなぁ?」


みお

みお 翔愛学園高等部 2年生

おっとりして優しいお姉ちゃん。調子に乗ると怖いかも?
夏休みの宿題が捗らないという弟を連れてネット環境のない祖母の家へ。
 純

純 翔愛学園高等部 1年生

普段はネットやゲームばかり。
夏休みはネット断ちして勉強するぞ!とはりきっていたが…結局遊んでました。

文章:望月明音(ビジネスアカウント)
背景:ゴルさん(ビジネスアカウント)

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