アイキャッチ物語 #203「恋する眠りクマ」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

やっほー。おまたせ。
こんな時間にどうしたの?
明日また学校で会えるじゃない。

そうなんだけど、ちょっとね。
はい、これ。
バレンタインのお返し。

どれどれ?
あ、クマのマスコットだ。
かーわいー。足が動くんだね!

さっき、モールで見つけて。
栞ちゃん、クマ好きだから。
カバンにつけてくれると、嬉しいな。

うん、つける!
明日から、さっそく使うね。
省吾くん、わざわざありがとう。

いや、こっちこそ。
呼び出しちゃって、ごめんね。
来てくれて、ほっとしたよ。

どうして来ないと思ったの?
外で会うなんて初めてだからかな。
省吾くんなら、いつでもいいよ。

そう?
最近、避けてなかった?
そんなフード目深に被ってさ。

これ、気にしないで。
花粉が飛んでるよね。
目が赤くなるから予防だよ。

あ~春だからね。
僕もかゆいから、わかるよ。
じゃあ、避けてないんだね。

避けてないよ。
こうして会いに来たわけだし。
じゃ、そういうことで!

もう帰るの!?
僕ら、付き合おうよ。
それが言いたくて呼んだんだ。

あ、うん。
そうだよね、お返しだもんね。
…頭の整理したいから、寝る。

おいおい、起きて。
そんな反応しないでよ。
君だって、そのつもりだったんだよね。

うん。何度も夢で見た。
でも、実際その時が来るって怖いね。
心臓バックバク。あはは~。

わかった。そのフードの理由!
照れて僕の方、見れなかったんだな。
バレンタイン頃からずっとだったね。

え~とこれは…。
うん、そうそう。
避けてたわけじゃないんだよ。

そっかぁ。それ聞いて安心した!
じゃあ、これからデートしよう。
そのフード、取ってくれるよね。

え、やだ。
それはできない。
あと1ヶ月ほど待ってて欲しい。

ああ、花粉症だっけ。
つらいよね、わかる。
でも、僕は赤い目笑わないよ。

うー。
だめだって。
引っ張らないで、いやっ。

はー、なんて強情。
僕のこと、ほんとは嫌いじゃないの。
付き合うなら、顔くらい見せてよ。

嫌いじゃない。
チョコ、あげたじゃん。
隣の席だからって本命あげない。

だったらさ~。
フード脱いでもいいじゃないか。
僕と目を合わせてよ。

脱げない。
省吾くん、ゆるふわパーマ好きってゆーから。
自分でかけたら、髪が爆発した。

髪が爆発!?
どうしたら、そんな器用なマネできるの。
見たい。めっちゃくちゃ見たい!

引っ張らないでー!
そう言うから、黙ってたのに。
伸びるまで待ってー!


 

栞 栞 翔愛学園高等部1年生

クマモチーフのグッズが大好き。
省吾とは、隣の席。

省吾 省吾  翔愛学園高等部1年生

栞とは入学時から仲が良い。
最近は栞に無視されていると感じている。

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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