アイキャッチ物語 #247「恋の風向き」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

あれー。
そこにいるのは、愛衣?
ひさしぶり。

櫂、おひさ。
音がすごくて、見に来たよ。
華火大会やってたんだね。

実家に帰ってたんだろ?
あと一週間は会えないのかと。
とにかく、おかえり!

うん。ただいま。
やっぱり、ここがいいね。
翔栄町は、ほっとする。

気になる言い方だな。
実家で何かあったのか。
進路で親と揉めたとか?

ううん、問題はないよ。
ここだと櫂に会えるから。
見て、キラキラしてる。

華火はいいよな。
夏のラストにふさわしい。
そうだ、神社には行ったか?

ううん。まだ。
さっきまで荷解きしてた。
神社は、何か催しでも?

恒例の夏祭りだよ。
今年もビンゴボールでTシャツもらえる。
色はピンクだから、愛衣の好みかも。

ふむふむ。
あとで行っちゃおうかな。
夜店のゲームは得意なんだ。

知ってる。
景品ハンターだもんな、お前。
今年も期待してる。

さては、Tシャツとれてないんだ?
ふふ、任せてよ。
風を読むのは自信あるよ。

俺、あれ苦手なんだよなぁ。
いきなり風向き変わるし?
じゃあ、あとで一緒に。

うんうん。
あ、あの形すごーい。
どうやれば、あんなの作れるの?

さぁ。俺は詳しくないから。
火薬の詰め方にコツでもあるんじゃないか。
でさ、それよりさ。

うん?
どうしたの。
妙に改まっちゃって。

いや、俺たちさ。
ずっとこのままかな。
最後の夏じゃん?

あ、うん。
もう三年生だよね。
最後の夏が終わっていくね。

それで、その。
残り少ないけどさ。
毎日どこか行かないか?

うん、いいよ。
楽しく過ごそう。
私たち、ふたりっきりで。

別に他の連中いてもいいけどな?
みんなと一緒でワイワイ。
だって、最後だから。

櫂。
あなたって、鈍いの?
せっかく早く帰ったのに。

お前だって。
最後の夏に帰省とかありえんし。
親のほうが大事なのは、わかるけど。

じゃあ、他の連中って何よ。
もういい。櫂の鈍感!
もう帰る!

帰るなよー。
あっ。サンダル脱げた。
どこ行った?見えないぞ。

ふぅ。これでどう?
少しは明るいんじゃない。
見つかるまで照らしてあげる。

サンキュー。
あ、あったあった。
あんな所まで転がったか。

さっきは、ごめんね?
ちょっと、イラッときて。
許してくれる?

うん。俺も悪かったよ。
風向き読むの、下手くそだな。
愛衣の気持ちは、それ見たら伝わった。

それって?
あ、これは、その。
人の待受け画面、見ないでよね!

いや。見せてんでしょ?
じゃあ、明日からふたりきりで。
無人島にでも行くか。

その前に、行くところあるでしょう。
神社でTシャツ取らなくちゃ。
夏も終わりなのに、この町は忙しいね!


 

愛衣 愛衣  翔愛学園高等部3年生

夏の間、実家に帰省していた。
櫂のことが好きだけど、打ち明けていない。

 

櫂  櫂  翔愛学園高等部3年生

愛衣とは一年生のころからの友だち。
もっと親密になりたいと思っているけど、煮え切らない。

文章:望月明音(ビジネスアカウント)

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