いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。
夕暮れがずいぶん長いなぁ。これだけ作業したのに、まだ夜にならない。
翔愛祭用の小道具、たくさん完成したね。脚本も書いて小道具製作までこなして、すごいね!
誰かしらないけど、手伝ってくれてありがとう。体がすごいだるいけど、がんばるぞ~。
太陽が沈まないようにしてるから時間はたっぷりあるよ。
え、君が夕陽を操ってんの?ちょっと信じられないなぁ。
私にはハルキの願いを叶える能力があるんだよ。
へぇ?他校の生徒はそんなこともできるのか。すごいな。
君だって私と同じ学校の生徒だったくせに。覚えてないの?
あっ!いつの間に着替えてたんだろう!?
君、翔愛に転校して忘れちゃったんだね。私のことも、全部。
いや待って?俺、君と面識あったっけ?確か…翔愛には親の都合で転校してきて…あれ?前どこにいたっけ。
ほら、覚えてないね。私の名前だって、わかんないでしょ。
君の顔は見覚えある気がするのに、名前が出てこないや。俺ら、最近も会ったよね?
うん。ハルキの後を追って転校してきたからね。隣のクラスにずっといるよ。
廊下ですれ違ったのか!なるほど。でも、なんで俺の後なんか追ってきたの?
さぁね。なんでそんな気になったのか、君が忘れちゃったんなら言わないよ。
君の名前はわからないけど、君は「ボク」って言う人だった。それは思い出した。
そう。前の学校では「ボク」って言ってたよ。君の中にボクのかけらが残ってるんだね。嬉しいよ。
でも超能力を持った知り合いに心当たりは無いかなぁ。
団地の公園で決めた設定だよ。ボクの名前にちなんだ能力を持ってるって。
設定…ああ、そうだ。俺たちがふたりきりの公園で考えたんだった。
ボクたちはどっちも親が一人だったからね。しょうがないよ。
誰もいない家には帰りたくない。だから夜が来ないことにした。ずっと遊んでいられるように。
うん。君は寂しい過去なんて忘れようとするけど、ボクは君がいなきゃひとりぼっち。
追ってこなくてもいいのに。夕映。
名前、思い出してくれたんだね。
うん。夕映は夕方を支配する能力って設定だったもんな。
じゃあ、そろそろ目を開けてボクを見つけてよ。
へ?
君、うなされて寝言を言ってるから、ボクが話相手になってるんだよ。
なんだと。
劇の脚本、まだなんでしょ?図書室で寝てる場合じゃないよ。
そういう時は起こせよ。
やだよ。ボクを忘れてた罰さ。いい話になりそうかい?