アイキャッチ物語 #68「ゆっくり大人になろう 雪は天使の贈り物」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

 

翔栄町って、雪がよく降るね。私の地元じゃ考えられないよ。

雪菜って沖縄生まれ?あそこもこの前は雪が降ってたろ。

ううん。そんなに南のほうじゃない。でも、一日以上降る雪なんて見たこと無いんだ。

そっかぁ。俺の地元なんて雪、すごいぜ。慣れっこだから、薄着でも平気!

ひとりで我慢大会してるのかと思った…。どんな風にすごいの?

うちの前が細い道でさ、他の家の屋根から雪が落ちると道路が埋まる。

うわ、大変そう。

雪が多い時は親父の車出せなくなるし、俺も小学校を休んだね。体が雪に埋まっちゃうから。

へぇ。雪のせいで学校に行けないってつまんないね。

いやそうでもないんだな。堂々とサボれてTVゲームし放題だったから。

あっ、ずるいんだー?

これ毎年使えるって思ってたのに、小5の担任が「お前の身長150超えてるだろう。出てこい」ってさ。

あは、体が大きくなっちゃったんだね。ざーんねん。

大人になるまで言い訳に使うつもりだったんだけどなー。いきなり成長するなっつの。

じゃあ哲哉くんにとっては雪なんてそう珍しくもないんだね。

おう、休み時間は雪合戦やり放題。雪菜は雪合戦したことないんだっけ?

だから雪が積もるほど降ったことがないんだってば。

じゃあ、明日あたり雪合戦やろうぜ。校庭のテニスコートで勝負だ!

寒いのやだなぁ。こたつから出たくない。

厚着してくればいいじゃないか。せっかくの雪だぞ。

うーん。おしゃれして気分盛り上げていこう。

雪が降らない地域があるなんて俺には想像もつかないなぁ。

お母さんの子供時代は雪かきしてたらしいよ。降らなくて助かるって言ってる。

だんだん降らなくなってったのかぁ。なんか不公平だな。

どこが?

大人と俺らじゃ同じ環境で子供時代を送れないってことじゃないか。

まぁ、そうだよね。私は雪って舞う程度しか見てないもん。

それなのに、子供でいられる時間は同じなんてさ。俺らは子供時代をたっぷり楽しんでないぞ。

哲哉くんはたっぷり楽しんだ気がするけどなぁ?学校サボってゲーム三昧。

ちょ、それだって一日かそこらだぞ。次の日には親父の車出すのに雪かきやらされてなぁ。

そっか。それは大変。

ご褒美に新作ゲーム買ってやると言われたら、がんばるしかないってもんだ。

あ、いいなー。

母親にバレると、次の給料日まで夕食が米ともやし炒めになるけどな。

怖い怖い。

ここは雪が降って、ちゃんと季節が過ぎる。雪菜は翔栄町に来て良かったな。

ここにいれば、ゆっくり大人になれるかな。

なれるさ。俺もじっくり子供時代を過ごして大人になるぞ。まずはたっぷり遊ぼう!

雪合戦って、雪玉の中に石とか入れてもいいの?

当たったら怪我するだろっ。なんだそんなことから教えてやらなきゃいけないのか。

だって、マンガで読んだ。

いいか、翔栄町の雪はいうなれば天使の贈り物だ。それに殺傷力をプラスするとか、お前は鬼か。

そこまで言うことないでしょ~。あと、なにげに詩人。

しょうがない。明日は雪合戦の正しい心得を教えてやる。

正しい心得?

動くものがいたら、容赦はするな。雪合戦、それは雪上の戦いだ!

哲哉くんも十分物騒なこと言ってるって。

明日の勝利は俺たちがいただく!

 


雪菜

雪菜 翔愛学園高等部1年生

名前の由来は、生まれた時に雪が降っていたから。
だけど、子供の頃は雪で遊んだ記憶が無い。

哲哉

哲哉 翔愛学園高等部2年生

毎年、実家の雪かきが大変だった。
雪なんて嫌というほど見てきた。

 

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)
背景:ゴルさん(ビジネスアカウント)

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