アイキャッチ物語 #37「旅は道連れ、天翔山ハイキング。」

いつもかわいいと好評頂いているアイキャッチ。ビジネスアカウントのメンバーに頼んで、ストーリーをつけてもらいました。

 

 

電車の窓はいいよね。色とりどりの絵画を何枚も見てるみたい。あなたもそう思わない?

へっ!?俺に話した?

きょろきょろして、誰に話しかけたと思ったの?

この車両、俺と君しか乗ってないけど知らない人に話しかけられたことないからさ。

私、穂実というの。天翔山までよろしくね。私もあなたの隣に立とうかな。

隣同士より対面がいいけど。横を向きっぱなしは首が痛い。

それもそうね。じゃあこのまましゃべりましょ。

俺は別に話し相手なんて欲しくもないけど。

そっか。旅は道連れ世は情けって言うのに残念。

円周率の周の字でいたる。俺の名前。

私は…さっき言ったよね。朝は曇ってたけど、晴れて良かった。雨が降ったら困るよね。

雨が降るなら電車に乗らないし、昼から降水確率0ってテレビで言ってた。

そうなんだ!お天気がいいと、ハイキングも楽しいよね!

あのさ。無理に会話しようとしなくていいよ。俺、あんま喋んない人なんで。

え~。それは困る!私、こういう狭いところで話し相手がいないの辛いの!

辛いのって言われてもなぁ。じゃあ誰かと一緒に乗ればいいじゃないか。

一人旅に憧れてたの。電車の中で見知らぬ乗客とおしゃべりして冷凍みかんを分けあったりしたかったの。

天翔山なんてすぐそこだよ。旅って言うほど遠くない。

それは…。だって、一人で遠い場所は不安じゃない。

それが旅の醍醐味っていうんじゃ…そろそろ到着だ。

周くんも頂上まで行くのよね。ついていってもいいかな。

いいけど…。俺、きのこ採りやるから移動が遅いよ。

私も紅葉をながめながら散策したいから丁度いいね。

さっきから、歩きづらくない?そのロングスカート。

実は私も感じてた。ちょっと安全ピンで裾をあげちゃおうかしら。

ナマ足むきだしだと枝に引っ掛けたとき怪我するよ!山を甘く見過ぎだ。

それもそうね。意外と山道は険しいのね。

じゃ、俺あっちできのこ探すから。

待って!ねぇそこに落ちてる木の実は食べられるかわかる?

そんなの知らないよ。ここは広いから話さなくても辛くないよね。

ひとりぼっちは辛いわ。せっかくだからお話しましょ。

一人旅に憧れてたくせに何を言ってるんだか。お、これは…まつたけ!!すーごーいー!!

こっちにはクヌギが落ちてたわ。栗は無いのかしら。栗ごはん食べたいわ。

俺、さっきも言ったけど別に話し相手欲しくないんだよ。先に頂上行っていいよ。

どうせここまで一緒なんだから上まで一緒に。…実は道がわからないの。

仕方ないな。まつたけも採れたし、そこの階段を登って。

あった。これね!…すごーい。街が一望できるわ!いい眺めよ!!

俺、一昨日も来たからもう見飽きた。下りはエノキかナメコが出るといいな。

いいわね!私もお腹空いてきちゃった。

調理してもやんないよ。これは俺の夕ごはん。

え~残念。ここまで一緒に来た仲じゃない。

君なんだか図々しいね。変なやつ。結局一人が嫌なんじゃないか。

ああ、そうかもしれない。私は一人が嫌だから一人旅に憧れるのよ!

は?どういうこと?

狭い部屋に一人だと気が滅入るわ。だから外に出て誰かとお話したいのよ。はい。冷凍みかん。

こんなのもらっても荷物が増えるから、いらない。

ここで食べるのよ。いい景色を眺めて、旅先で出会った人とほおばる冷凍みかん。ステキでしょ。

それもいいか。じゃあ、遠慮無くいただきます。…なんだこれ、うへ!

うふふ。疲れた体にはビタミンって言うじゃない。んー、酸っぱくておいしい。

梅干しといい勝負だよ。なんだこの酸っぱいみかん!

いい旅の思い出だね。


穂実

穂実(おみ) 翔愛学園高等部1年生

一人旅に憧れる女の子。でも遠出は怖いので、近くの天翔山へ電車で向かう。
誰かとしゃべっていないと落ち着かないらしい。

 周

周(いたる) 翔愛学園高等部1年生

天翔山に夕飯のおかずを採りに行く途中で、穂実に出会う。
人と喋るのがあまり好きじゃない。穂実のペースに振り回されるハメになる。

 

 

 

文章:望月明音(ビジネスアカウント)
背景:ゴルさん(ビジネスアカウント)

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