翔愛学園の生徒さんから頂いた悩み相談に対し、私だったらどうするかを答えていきましょう。
PN:歩音さん
前に体調管理については、他の方からの質問で拝見しました。それを見て思ったのですが、内面的な精神的にはいかがでしょうか?
やはり仕事柄ストレスとかは大量にあると思います。何か対策等はなされてるのでしょうか?
よく楽観的には割り切ればよいといわれるのですがネガティブ思考なので割り切りたくても割り切れず…
もやもやと抱え込んで終わってしまうことが多いですし、相手にも嫌な思いをさせてしまっていたらと、余計なことまで考えてしまったりも多いのですが…
何か良い方法などは有りますでしょか?
精神的なストレス対策と、ネガティブ思考についての悩みということですね。私も、なんかもやもやするなー、ストレスかなーと感じることはあります。
そんな時、少しでも悩みを減らすために、どう考えるかチャート式で答えてみます。
① まず“自分ごと”と、“他人ごと”を切り分ける
まず、悩みやストレスが、自分のことなのか、他人のことなのかを考えてみましょう。すると意外に“他人ごと”が多いことに気づきます。そもそも他人の問題であったり、他人との関係性の問題であったりすると、いくら悩んでも解決できないことが多々あります。まず、他人はコントロールできないということをしっかり認識しましょう。
どうしてあの人はこんなことするんだろう。どうしてあの人はこんなこと言うんだろう。どうしたら、あの人がこうしてくれるんだろう。そういう悩みは、いくら考えても答が見つかりませんので、まず、“他人ごと”は、できるだけ考えないように意識しつつ④へ進んでください。一方、“自分ごと”であれば解決する可能性があります。②へ進みましょう。
②今すぐ解決できることと、時間が経たないと解決しないことを切り分ける
問題が“自分ごと”であった場合、今すぐ行動して解決する可能性がある問題と、今すぐ行動しても解決しない問題とに切り分けます。今すぐ行動して解決する可能性があるなら、行動あるみのです。5分でも10分でも早くストレスから逃れるため、問題解決に挑みます。やれるだけのことをやっても、まだモヤモヤがとれない時は③へ進みましょう。
時間が経たないと解決しないこともあります。例えば、試験を受けた後、結果発表まで日数があるとか、やるだけのことはやって返事待ちとか。これは、たくさん悩めば物事が良い方向に進むわけではありませんので、深く考えずに③へ進んでください。
③ストレスを溜めない究極の秘訣は“忘れる”こと
私は、 これが究極の答えだと信じています。つまり、あなたの悩み、あなたのストレスの原因は、全てあなたの“記憶”にあるんです。特に、悩みごとをグルグル考えてしまって止まらなくなる人は、自分の中で悩みを増殖させてインフレが発生しますので注意してください。
ポチッとスイッチを押すだけで、特定の記憶をリセットできれば、どんなに便利だろう(笑)といつも考えますが、人間はそう都合よくできてはいません。特に嫌なことほど記憶に残りやすいのは、生物が危機回避しようとする本能のためだと思われます。嫌なことをしっかり記憶に刻んで、二度目の危機を避けようとする仕組みなんでしょうね。
忘れられないのは生物の原理だとしても、それを何度も考えてしまうのは、あなたがやっていることです。つまり、考えないようにすることは工夫でなんとかなるものです。
人間の脳は、複数のことを同時に考えることは苦手です。嫌な記憶が甦えってきたら、すぐに別のことを考える癖をつけましょう。そういうときのためのお気に入りの小説や漫画やアニメを決めておいて、そっちに集中するのが楽かもしれません。つまり、お手軽な現実逃避先を常に用意しておくということです。
あと、“記憶”になってしまったということは、所詮過去のことです。ついつい自分で過去を振り返ってしまうなら、いま目の前のことを考えるようにした方がいいですし、目の前に考えることが無くて、過去のことを考えてしまうなら、勉強でも読書でも、目の前に考える道具を用意しておくといい思います。
最後に⑤へ進みましょう。
④他人との関係性は“距離感”で調整
①で、他人はコントロールできないと書きました。では、人間関係が上手くいかないときは、常に自分が我慢すればいいんでしょうか?そういう方法もあると思いますが、そもそも人間関係が問題になったのは、相手との距離感のせいである場合が多いと考えます。
ここで、距離感という言葉を使ったのは、物理的な距離と気持ち的な距離の2つがあるからで、この距離感をうまくつかむことにも、慣れが必要に思います。
相手との適正な距離を保つことは、かなり難しいことかもしれません。ただ、問題が起こってしまったとしたら、距離が遠すぎることは少なくて、近寄りすぎてしまっていることが殆どだと思います。
人には誰しもテリトリーがあります。友だちならここまで近寄ってもいい、親しい友だちならここまで平気、恋人ならここまで。みたいに、近づくことが許される距離が決まっているし、自分以外誰もいれたくない領域もあるんです。そして、そのテリトリー範囲は人によって違います。
人間関係が噛み合わなかったな…と思ったら、相手が望んでない領域まで入りすぎたのかもしれません。少し距離をとってみてください。距離をとる方法は、空間的な方法と時間的な方法があると思います。決して縁を切れと言ってるわけではありません。一歩引いてみること、その人のことを考えすぎないようにし、別のことを考えるようにしてみましょう。
相談者さんのような、受身なタイプの人は当てはまらないと思いますが、中には人間関係に積極的な人もいますよね。もしこれを読んでいるあなたが人間関係に積極的な人だとしても、「友だちなら〇〇なはず。」みたいな自分の距離感を強制したり、相手の心を無理やり開こうとしたり、しないであげて欲しいと思います。
あと、距離感をとるのが難しいのは家族や恋人など身内の問題です。身内との人間関係の問題は、本当に難しいですね。ただ、私は身内であっても近寄りすぎていいとは思っていないです。他人よりは近いとしても、適切な距離を置くべきと考えています。
⑤ポジティブシンキングは可能か
自己啓発ブームもあってか、ポジティブ思考すべきみたいなことは、よく言われていますね。でも、しんどいときに「頑張らなきゃ」と自分を励ますことがポジティブシンキングではないと私は思います。
私はどちらかというとポジティブな方だと思いますが、「頑張ろう」とか「気合」とか「根性」とか、そういうタイプでは決してありません。
むしろ口癖は「しょうがない」と「まあいっか」です(笑)
起こってしまったことは「しょうがない」んです。どんなにくよくよしても取り返せないんですから、「しょうがない」という言葉でしか言い表せません。10時間悩んだとしても、5分で悩みを切り上げたとしても、「しょうがない」という結論は変わりません。だったら、5分で切り上げた方がストレスにならないし、余った時間を他のことに使えます。
いま悩んでる問題に、「しょうがない」以外の結論が出る可能性ありますか?あるのでしたら、悩む時間も合理的だと思います。
結論は変わらない。じゃあ、どうするの?「まあいっか」です。
つまり「よし」とするんです。良かったことも悪かったことも、とりあえず「よし」とする。もちろんこの「よし」には「まあまあ」というニュアンスが含まれており、50点くらいの評価なんですが、それを10点とか0点とか厳しくするより、50点でいいと考えます。次の機会に、60点、70点とアップしていって、100点を目指すことを考えるのが合理的だと思いますよ。