2015年度新学期・情報化村社会に生きるキャラフレユーザーの皆さんへ

2015年になり、スマートフォンもますます普及してきました。いつでも、どこでも繋がっている社会がいよいよ訪れたと言えるでしょう。
日本は戦前までの「村社会」文化から、高度成長期の「都市社会」文化へと移り変わってきました。「村社会」では、小さなコミュニティの中で、人々が助け合い、共同生活を営んでいました。独りぼっちでは、食べ物の確保すら難しかったのです。もし、私欲に走ったりモラルに反する行動をとって村を追われたりすると、生きていくことができない時代でした。
近代化により「都市社会」が生まれると、人は一人で生きていくことが可能になりました。村を出て都市に移り住んだ人々は、お金を稼いで食料を買うことで、助け合う必要すらなくなります。そのことを自由と考えた人々は次々と村を出て、一気に都市化が進みました。
しかし、ネットの普及により、都市の人々は急激につながりを求めはじめます。しかも、数十人単位で家族のように固まっていたかつての村社会と異なり、日本中・世界中という規模で、つながりが張りめぐらされようとしています。
明らかに「都市社会」と異なる文化を形成しつつあり、新しい「情報化村社会」の到来と呼んでもいいでしょう。

「都市社会」と、「情報化村社会」の違いは何でしょうか。誰にも見られていなかった都市社会と異なり、常に誰かに見られているのが「村社会」です。孤独とセットであった自由を捨てて、不自由であっても人とつながっていたいことを選択したのが、村社会文化です。
つながることを選んだのですから、困ってる人がいたら助け合い、モラルが低い人がいたら注意し合い、人は生きるために共同体を営んでいることを認識すべきです。常に他人の目に触れていることを意識し、モラルのある行動や発言をする必要があります。

この新しい文化は、都市社会を反省して、村社会に逆戻りする退化ではありません。村社会と都市社会のいいところを掛け合わせた「情報化村社会」を作ることを考えていくべきと考えます。

キャラフレでは、2.5次元プロジェクトを推進しています。「情報化村社会」では、既にリアルとバーチャルの垣根は存在しないと考ています。ネットは他者の気持ちや利害を無視して、何をやってもいい安全地帯ではないことは、皆さんも認識しているでしょう。では、改めて「情報化村社会」における「幸せ」について考えてみましょう。

「都市社会」は、貨幣に代表される「外発的報酬」を中心に発展してきました。しかし、人間の幸せは「内発的報酬」にこそあると言われています。ゲームデザイナーのジェインマクゴニカル氏の著書『幸せな未来は「ゲーム」が創る』によると、内発的報酬は、以下のように分析されています。

  • [することがある]→[成功体験を得る]
  • [つながりがある]→[世界の一員と感じる]

矢印の左側は、小さなことです。キャラフレで言うなら、「天使の羽を集める」や「ゲームチャットをして友だちリストを増やす」ことだったりします。しかし、皆さんがもっと幸せになるためには、矢印の右側が満たされる必要があります。自分の作ったもの、考えたもので成功体験を得たい。この世界を構成している一員であることを実感したい。もちろん一定の責任と一定の努力を踏まえた上で、内発的報酬を得ることを目指すため、学園祭などの創作系イベントや、公式部制度、カレッジコースやビジネスサークル、ビジネスアカウントなど、大小様々な枠組みを用意してきました。自分にあった枠組みを見つけて、自発的に取り組んでください。

誰かに指示されて働くことは、古い「都市社会」のモデルです。現代の雇用問題を考えても、既に破綻していることは明らかです。皆さんのやりたいことを自分で考えて、どんどん提案・相談してください。最終的にリアルな自分の幸せに結びつけることが理想的な「情報化村社会」です。そのために、キャラフレという小さな社会があなたの居場所となります。

皆さんと一緒に、よりよい「情報化村社会」を営んでいけることを期待しています。

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 平成27年4月6日 下北沢にて

 

 

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  1. ピンバック: キャラフレを開始しようと思ったきっかけはなんですか? | 2.5次元ではたらく社長 濱田功志 のブログ

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