写真と向き合ってみる[8]:異端のライブビュー機α350

各社からライブビュー搭載機がリリースされるなか、またしても出遅れた感のあるSONYでしたが、他社にはない機能を搭載した製品が登場しました。
ライブビューと位相差AFを両立させたクイックAFライブビュー搭載機、α350が2008年2月に登場します。
(アイキャッチ画像は値段の割に写りが抜群に良い 50mm F2.8 MACRO)

SONY独自機構のライブビュー機:α350

当時はまだ像面位相差AFセンサーがなかったので、ライブビューの場合はコントラストAFになるのが一般的でした。今でこそ違和感のない高速なコントラストAF搭載機種もありますが、当時のコントラストAFは一旦行き過ぎてから戻って合焦するのが当たり前で、位相差AFを知る人にとっては、お世辞にも快適とは言えませんでした。
一方、コンパクトデジカメやビデオカメラでは、液晶を見ながら撮影するライブビューが当たり前で、それができない光学ファインダー前提の一眼レフカメラはハードルの高さの一因にもなっていました。
α350は、撮影用のイメージセンサーとは別に、ライブビュー専用のCCDを搭載することで、ミラーダウンして撮像用センサーに光が届かない状態でも、ライブビューを実現しつつ、通常時と同等の位相差AFを可能にしたSONYらしいアイデアの製品です。
撮影用センサーを使わないため、マクロ等での精密なピント合わせには使えませんが、カジュアルな用途にはたいへん便利な一台です。
画素数も1,420万画素と、α100はもとよりα700を上回るスペックで、このタイミングでサブ機の座をα100と交代することになりました。

SONY DSCα350で撮影。24mm相当。ローアングル撮影には、ライブビューがとても便利です

標準画角のGレンズ:35mm F1.4G

ちょうどこの時期に、Gレンズという高品位ラインの単焦点レンズを追加購入します。35mm F1.4GはMINOLTA時代からありましたが、SONYブランドになった後のバージョンを購入しました。APS-Cで47.5mm相当という標準画角になります。
実はこのレンズ、αレンズで1番と言えるくらいお気に入りなのですが、α700との組み合わせではパープルフリンジが盛大に出てかなりシチュエーションを選びました。逆光を避ければいいというだけでなく、晴天でもコントラストが高い被写体だと作品性に影響を及ぼす程のパープルフリンジに悩まされました。
その一方で、単調で面白みのない写真になりがちな曇天の日などに持ち出すと、繊細かつ重厚な空気感が出せる貴重なレンズでもありました。
晴天なら135mmF2.8[T4.5] STF。曇天なら35mm F1.4Gでレンズチョイスは決まりです。

SONY DSC35mm F1.4 G。ソフト目で雰囲気抜群の仕上がり

バープルフリンジは、アナログ時代のレンズによってかなり出る場合があり、各社ともデジタル対応にバージョンアップする段階で工夫したりするらしいのですが、このレンズはSONY版になっても弱点を引きずっているようですね。(全体的にαレンズはパープルフリンジ多めだと感じます)
この後、α900との組み合わせでは、α700程にパープルフリンジに悩まされなくなり、メインレンズとして大いに楽しませてもらいました。

 

 

 

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