4月10日の朝、イルカの大量座礁死のニュースに驚いた方も多いと思います。Yahooニュース”ネット上は騒然!? 10日のイルカ大量座礁死は大地震の予兆?”
地震と結びつけられている理由は、311の東北関東大震災の前にもイルカの大量打ち上げがあったことと、阪神大震災や東北関東大震災を予言したと言われているゲリー・ボーネル氏が、4月12日に東海大地震を予言していることだと思われます。
前者の根拠はともかく、後者の予言については、噂話としては面白いけど、本気で怖がっている人の不安を煽るネタに使うのは、正直いかがなものかと思います。
拡散されているまとめ記事などは、「予言が当たるのでは?」という側の意見ばかりが取り上げられていますが、オカルト話が好きなら興味深い資料ではありますね。でも、注意喚起の意味で拡散するのであれば、必要以上に不安を煽らないためにも、反対意見も調べて欲しいものと思います。
科学的に考えて、信憑のおけそうな記事はこちら 4月11日の朝日新聞「イルカ大量漂着「冷水域でパニックか」 国立科学博物館」
茨城県鉾田市、鹿嶋市の海岸に打ち上げられた大量のイルカについて、国立科学博物館は11日、状況や原因などを調査した。詳細な調査はこれからだが、「冷水域に遭遇したためにパニックに陥った可能性がある」との見方を示した。
個人的に、予言者という職業(職業と呼べるかどうかわかりませんが)は、何かを予言しないとそもそもアタリもハズレも無いわけで、たくさん予言してアタリを増やす確率をあげるしかないわけです。当たればおおげさにキャンペーンをして、外れたことは無かったかのように忘れ、当たった数だけを自慢しているとしか思えません。当たった数と外れた数を公正な方法でカウントして、的中率何%などと表記してくれると、もう少し信じる気にもなります。
予言者達も講演やメディアへの出演料、出版本の売上などで生活していることを考えると、当たった数を自慢して自分を売り込むのは当然のことでしょう。何を信じるかは自由ですし、出版されている本はエンターテイメントとして読むと面白かったりもしますが、大震災のような人々の心に大きな影響を残すものと結びつけることを商売のネタにするのは、正直いかがなものかと思います。不安を煽る記事を拡散してアクセスを稼ごうとするネットメディアも同罪です。
最初に紹介したYahoo!ニュースの記事は、偏った一方向からの意見だけでなく、反対の意見もきちんと取材されていますね。記事のあり方としては正しいけど、タイトルがちょっと煽り気味かな…タイトルだけうのみにして騒ぐ人は、意外と多いものですから…
予言が当たっても当たらなくても地震に備えるきっかけになるという意見もあります。
もちろん、地震に備えることは大事ですが、予言が外れた時に発言を正当化するための言い訳に聞こえます。
前回書いた記事「朝日新聞の報道「スマホやめるか、大学やめるか」について、信州大学学長の真意はどこにあるのか」に書いた山沢清人学長の挨拶全文は読んで頂けましたでしょうか。
スマホ世代にありがちなこととして、ネットから得た情報を全て信じてしまい、鵜呑みにしてネットに拡散してしまう点は心配です。ネットで得た情報は、そのまま信じないで一旦自分なりに検証してから拡散しましょう。検索で反対意見も簡単に調べられるスマートフォンは、検証ツールとして非常に有用です。その際、自分の意見を一言添えられるとより良いですね。
何でも拡散することは、善い行いとは限りません。うっかりしていると、デマを拡散して犯罪者に協力してしまうこともあったりします。人間は目にする数が多いと本当だと信じてしまう癖があります。例え大手メディアの記事であっても、鵜呑みにせず、いろいろな側面からの意見を探して、自分が納得できる情報のみ拡散してください。