音楽と向き合ってみる[3]:ベストなヘッドフォンを探す

前回、自分の音楽ライブラリをスマートフォンで持ち歩けるところまで設定しました。今回は外で音楽を聴くためにマイベストなヘッドフォンを選んでみようと思います。


ウォークマンが登場した当時、外で音楽を聴くというのは憧れである反面、ヘッドフォンを外で付けている人が誰もいないことによる気恥ずかしさもあったものです。
私が最初に手にいれたのは、ウォークマンより一回り大きくて、録音機能が付いており、ステレオマイクが内蔵されているものでした。音質は悪くはないけどすごく良いというものではないし、ヘッドフォンにこだわることもなかったです。
ポータブルカセットプレイヤーの音質が劇的に良くなるのは、Dolby-Cが搭載されてからという印象ですので、それよりは数年前の頃ですね。

そんなわけで普段持ち歩いて使うという感じではなかったのですが、鳥の声などを録音できるかなと思い、旅行には持っていきました。
知らない土地をブラブラ歩きながら音楽を聴いてみるということを初めて試したとき、世界が変わったと思えるような衝撃は、今も鮮明に覚えています。
それは、映画の中に迷い込んだような感覚です。目から入る風景と、耳から入る音楽がシンクロし、自分を取り巻く世界がドラマのワンシーンになったような錯覚は、とても新鮮なものでした。
思えば、その頃からドラマチックな曲を好んで聴くようになった気がします。

何事も、初めての経験は強烈な印象を残すものなので、年齢を重ねると同じような経験をしたいと思っても、なかなか見つけることができません。
それでも、シーンと音楽が偶然シンクロすることは、たまにありそうですから、外で音楽を聴く楽しみは、部屋で聴くのとはまた違った感動に出会える可能性があるでしょうね。

持ち歩くヘッドフォンを選ぶ

さて、前置きが長くなりましたが、今日のテーマはヘッドフォン選びです。音質を追求する人は、プレイヤーだけでなく、ケーブルやアンプにもこだわるようですが、今回カジュアルさを求めていますので、Bluetoothヘッドフォンでケーブルのわずらわしさを解消し、そこそこの音質が得られるものを候補にしました。
実際に試聴する環境ですが、プレイヤーにはXperia Z Ultraを使い、アプリは前回紹介したPowerampです。

試聴音源は、自分の耳が慣れているTOTOのアルバムで、レコーディング品質が最も高いであろう2015年の「TOTO XIV」を使うことにします。

まず、Bluetoothによる音質的なマイナス面を把握するため、ケーブル接続で聴いてみます。ヘッドフォンはゼンハイザーのMXL560です。ゼンハイザーのヘッドフォンは、値段も手頃で癖がなく非常に素直で、音量をあげていってもなかなか歪まない、安心できるヘッドフォンだと思っています。

TOTOの楽曲は、楽器ひとつひとつが見事に分離しながら、一分の隙も無い緻密な曲作りが魅力だと思っています。透明感のあるボーカルに、(天才的な)ギターソロ、ベースソロ、キーボードソロと畳みかけていく職人芸に惚れ惚れします。

余談ですが、TOTOはデビューアルバムから聖剣エクスカリバーがモチーフにされていたり、歌詞にドラゴンが登場したり、中二病感満載だったわけですが、このアルバムジャケットにも剣があしらわれています。メンバーの平均年齢60歳とのことですが、カッコイイオタク的な面にも大いに共感しますね(笑)

SONY SBH50

まず、お気に入りのヘッドフォンが使えるBluetoothレシーバーを試してみます。SONYからはウォークマンのアクセサリであるWMシリーズと、スマートフォンのアクセサリであるSBHシリーズがありますが、SBH50は中間の価格帯商品になるでしょう。
Xperiaとの組み合わせは、推奨とも言える純正品なわけで、NFCで簡単にペアリングできます。もちろん通常のBluetoothメニューからスキャンしてのペアリングもできます。
ペアリングすると、SBH50専用アプリのインストールを推奨されますが、今回はキャンセルしてテストしました。(アプリをインストールすると、TwitterやFacebookの通知が表示できるそうです)
本体に有機EL ディスプレイがあり、スマートフォンで再生中の曲名が転送され表示されます。再生/一時停止ボタンと、早送りボタン、巻き戻しボタン、ボリュームアップ、ダウンがそれぞれ独立しており、操作に迷うこともありません。
またFMチューナーも内蔵しており、単体でFM放送を聴くこともできる多機能モデルです。もちろん電話の発着信も可能です。
10mくらい離れてみましたが、音が途切れることもありません。もちろん通常使用の1~2mの範囲では全くストレスありませんでした。
無音時のホワイトノイズはかなり少ない方で気にならないと言えるレベルだと思います。内蔵アンプの音質もなかなか良好ですが、少し中低音が強調されている感じがあり、イコライザーで低音を抑えた方が好みのサウンドになりました。
SONYのSBH20やSBH52もそうなのですが、充電しながら使えるというメリットがあります。
多くのBluetoothヘッドフォンは、充電を接続するとペアリングが切れてしまいますので、デスクで長時間音楽を聴く用途には向きません。SBHシリーズであれば、充電ケーブルを接続しっぱなしのまま音楽を聴くことができるため、デスクで常用するヘッドフォンとしても使い勝手が良いと思います。

ここまでは、屋内での試聴でしたが、屋外にも持ち出してみましょう。
交通量の多い通り、つまり騒音の多い場所では、中低音の盛り上がりもちょうどいい感じがします。ただ、音量を上げるとそれぞれの楽器の分離が悪くなり、ごちゃごちゃする印象でした。静かな裏通りに入ると本体のボリュームを少し下げることになりますが、その時のステップ間隔が広すぎる印象も気になります。つまり、騒音の多い場所でちょうどいい音量にしておくと、裏通りに入った時にボリュームを1ステップ下げると、下がりすぎるのです。
もちろんスマートフォンで微調整すればいいのですが、鞄にしまっていると出し入れが面倒ですね。このタイプはヘッドフォンを好みのものと組み合わせられる点がメリットなので、アナログ的なボリューム調整機能のついたヘッドフォンと組み合わせた方が良いかもしれません。

(次回へ続く)

音楽と向き合ってみる[3]:ベストなヘッドフォンを探す” に対する意見

  1. ピンバック: 音楽と向き合ってみる[4]:続・ベストなヘッドフォンを探す | 2.5次元ではたらく社長 濱田功志 のブログ

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