修学旅行の撮影に活躍したRICOH THETA S【撮影編】

「払沢の滝」マップから導入スタートした全天球360°カメラ。RICOHのTHETA Sは、修学旅行でも大半の撮影に使用されました。そして、現在カレーフェスに向けて準備中の下北沢マップでも新撮部分に使用しています。
現在大活躍中のRICOH THETAについて書いてみたいと思います。

ROCOH THETAを使用する以前のキャラフレマップでは、通常のデジタル一眼カメラを小刻みに回転させながらおおよそ20枚程度撮影し、Adobe LightroomもしくはPhotoshopのパノラマ合成機能でつなぎ合わせていました。

まずはLightroomで試し、たまにうまく繋がらない時があるので、その場合はphotoshopでという使い分けをしていましたが、途中の接続はかなり優秀に繋がるものの、画面の端と端が自動では繋がらないため、360°シームレスな画像を作るためには、レタッチに時間をかける必要がありました。

それが、ワンボタンで撮影できるのですから、かなり効率アップになります。

特に、実際の撮影では施設側担当者の立ち会いがあったり、一般の方の邪魔にならないように撮影する必要があり、手早く撮影できることはとても重要です。

ただ、RICOH THETAはあくまでコンシューマ機材なので、業務で使うにはもうひとつ物足りないことは否めません。

つい先日発売された上位モデルの THETA Vや、ライバル機のInsta 360 ONEなど(いずれも未試用)で、少しずつ改善が見られますし、今後も新しい機種が登場することが期待できます。

 

撮影編

現在撮影に使用しているのは、ひとつ前の機種にあたるTHETA Sです。THETAシリーズは動画撮影機能もウリなのですが、キャラフレでは静止画のみ使用します。

THETA Sの静止画像は5376×2688 pixelのサイズがあります。1枚の静止画としてはかなり大きなサイズですが、キャラフレでは一周360°に約4画面を使用しますので、1画面の幅が1344pixelとなります。
これは、かなりギリギリのサイズで、正直充分とは言えません。

THETA Sは、背中合わせに搭載された2つの撮像素子と魚眼レンズで全天球画像を生成しますので、1つのセンサーとレンズで2688×2688 pixelの静止画を撮影することになります。特にレンズ性能はかなり厳しい条件になってくることが予想されます。

残念ながら新機種のTHETA Vでは、静止画の画素数アップは実現しませんでした。ライバル機のInsta360 ONEは静止画が6912×3456 pixelとのことですので、魅力的に感じます。縮小前提とはいえ、ディティールに差がでますので、画素は多いに越したことはありません。

THETAのAUTO撮影はかなり優秀です。特に、屋外で全天球撮影するということは、必ず画面内に太陽が直接映り込むことになり、それだけでかなり厳しい条件になるわけですが、本体のボタンをワンプッシュ。もしくはWiFi接続したスマートフォンから撮影ボタンを1回押すことで、かなりバランスの良い画像を撮影することができます。

また、単体でHDR撮影のモードもありますので、明暗差の激しい場所であればHDRをモードを使用するとよいでしょう。

ただ、カジュアルなスナップであればよいのですが、施設の方が同行する取材の場合は、少々工夫が必要と感じました。

まず、360°写るということは、本体のボタンを押すと自分が必ず映り込んでしまいます。従って本体をスタンドに立てて、WiFi接続したスマートフォンからリモート撮影をすることになります。

その場合、AUTOで1枚撮影をすると、毎回スマートフォンに画像を転送され、それが結構時間がかかりテンポ良く撮影ポイントをまわることができません。取材時に立ち会って頂く担当の方を待たせてしまうことになり、申し訳ない気持ちになります。

また、撮影時、転送時に距離を離れすぎるとWiFiが切れてしまい、再接続に時間がかかってシャッターチャンスを逃すこともしばしばあります。屋外で炎天下の撮影では、本体も加熱して不安定になりますし、スマートフォンも熱くなりすぎて、みるみるバッテリーを消費する問題も起こりました。

結果的に、スマートフォンのアプリから設定できるブラケット(連続撮影)モードを使用して、パラメータを変えつつ10枚程度撮影すること方法をとることにしました。

ブラケットモードにするとスマートフォンに画像を転送しないので、撮影がおわるとスムーズに次の場所に移動することができます。撮影中に自分がカメラ周囲を歩き回ることで、自分や周囲の人が写っていない画像をつなぎ合わせて、人を消す処理が楽になります。

AUTOで1枚撮り、画像確認無しだと失敗が怖いところですが、複数撮ることで保険になります。

難点は、単純にAEの露出補正ブラケットができると嬉しいのですが、マニュアル値によるISOのブラケットもしくはシャッタースピードのブラケットしかできません。

基準となる撮影パラメータを勘を頼りに決めて、シャッタースピードをずらして設定するか、1枚テスト撮影をしてパラメータを確認してブラケットすることになります。テスト撮影の場合スマートフォンへの転送がまどろっこしいため、勘を頼りに多めに設定することで、殆どの撮影を行いました。

折角優秀なオート撮影が使えないのは、ちょっと残念なところですので、RICOHさんにはぜひ露出補正ブラケットをお願いしたいところです。

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