2014年、福島修学旅行です。この時はα7Rとα99の2台持ちで、充実した取材になるはずでした。ところが…
アイキャッチは郡山駅前のビッグアイからみた郡山市街。24mm F2 ZA
α7Rのトラブル
修学旅行の取材は基本的に風景撮りが殆どなので、3640万画素&ローパスフィルターレスのα7Rに大きく期待していしました。ところが撮影序盤にて、電源を切り忘れてバッグに入れっぱなしという、うっかりミスを。
普通は電源を切り忘れても自動的にスタンバイになり、大きなトラブルにはつながらないと思うのですが、この時は何故か本体がかなり発熱し、電源再投入できない状態になりました。
しかも熱の影響か、メモリーカードの管理ファイルが壊れて修復しますという警告が。
幸い、殆ど撮影しておらず、また撮影済のデータも壊れたりはしなかったのですが、そのまま撮影を続行して、撮った後にファイルが壊れるようなことになるとたいへんです。再取材の労力だけでなく、取材先にも迷惑をかけてしまいます。
そのため、以降の撮影をα99のみで行うことにしました。
スパリゾートハワイアンズ様。装飾に凝った壁が素敵ですね。
レンズは24mm F2 ZAほぼ一本です。
あぶくま洞様。ISO6400まで上げています。
トランスルーセントミラーテクノロジーについて
α99の時代には、すでに私はミラーレス機のE-Mountに注目していたこともあり、あまり印象に残っていません。しかし、トランスルーセントミラーテクノロジーというSONYならではの技術を搭載した、新しい世代の一眼レフになっています。それ以前のαでは、ファインダー機のα900もライブビューに対応したα350も、いわゆるオーソドックスな一眼レフカメラのフィルム部をセンサーに置き換えた構造をしていました。つまり、普段は斜めにとりつけられた反射ミラーが、レンズからの光をファインダーへ導き、撮影時にはミラーが跳ね上がり、その奥のセンサーに光を導くという構造です。
シャッター音にこだわりのあるカメラユーザーは多いと思いますが、実際はシャッターだけでなく、ミラーアップダウンのメカ動作も組み合わさった音になります。特にα900などはそれまでのAPS-C機と比べてミラー部分のサイズが大きく重くなったせいか、「バッシャン」という豪快なシャッター音でした。
しかし、α99世代以降のSONY製デジタル一眼レフカメラは、アップダウン動作をしない固定されたハーフミラーによってAFセンサーに光を導き、ファインダーはEVFとする、トランスルーセントミラー機のみとなります。つまり、常時ライブビュー状態でそれを背面モニターでみるか、ファインダー内の小さなモニターでみるか、という構造で、光学ファインダーは存在しません。
光学ファインダーがないことには、賛否両論あると思いますが、私はEVFで文句ない派です。最高の光学ファインダーと言われたα900を体験しても、尚EVFの方を選択します。
理由はやはり、ピント拡大して精密なフォーカス合わせをしたいからという理由に尽きます。
鶴ヶ城。この日は曇天だったのですが、現像で青空をできるだけ起こしてみました。
現在はミラーレス機にも像面位相差センサーが当たり前になってきており、ミラーがなくても位相差AFが使えます。しかし、当時はミラーレスやライブビュー撮影の場合は位相差センサーが使えないため、コントラストAFになる制約がありました。α7sあたりから、コントラストAFのみでもほとんど違和感のないAFと感じるようになりましたが、当時は位相差AFとは圧倒的な速度差があり、α350のようにライブビュー用CCDを搭載したり、トランスルーセントミラーのようなハーフミラーを使うSONY独自の構造で、ライブビューと位相差AFの両立が実現していたのです。