毎年9月頃に予定している「修学旅行」イベントに関して、新型コロナウィルスは去年に引き続き収束とは言えませんが、今年もなんとか実現したいと準備を進めています。
システム的な変更も準備しており、少しずつテストをしながら開発を進めていますので、ご協力をお願い致します。
キャラフレでは、毎年恒例の「修学旅行」イベントをはじめ、2016年頃から東京都西多摩郡にある「檜原村」、カレーフェスティバルの開催された「下北沢」、栃木県の「あしかがフラワーパーク」など、実在の風景や施設をゲーム内に再現する試みを続けてきました。
2015年までは、前後左右に移動する紙芝居的な構成でした。回遊型の施設はそれでもいいのですが、突き当りまで進んで、来た道を戻るタイプの施設で、行きの景色だけでなく帰りの景色も絶景という場合に、うまく実装できない悩みが生まれました。
そこで、2015年の沖縄修学旅行あたりから、往路と復路のそれぞれを実装することを試みました。ただ、途中で振り返るような操作がうまく表現できず、2016年の「檜原村・払沢の滝」では、RICOHのTHETAを使った360度撮影の試験をはじめました。
2018年以降はミラーレス一眼カメラ+魚眼レンズの組み合わせで、4方向撮影したものをパノラマ合成するスタイルで撮影しており、今年もその方法で取材予定です。
上記のような撮影素材に対し、パノラマステッチした後の360度球体マッピングした画像をどう表示するかという課題がありました。通常のVRビュワーでは球体にマッピングした状態をレンダリングして表示することで、直線が歪まずに直線に見える表示になります。
ところが、キャラフレは純粋な2次元のプラットフォームとして開発し進化させてきたものですから、3次元的な表示を簡単に組み込むことができません。
これまでは、遠景であれば多少の歪み補正で許容範囲と考えましたが、建物内などの近景では補正しきれず、大きく妥協したままで公開してきました。ユーザーの方からも施設の方からも批判的な意見は一切頂いておりませんが、私としては正しい見た目が表現できていないことについて、申し訳ない気持ちを持ち続けてきました。
時代が進んだおかげで、WebブラウザでVR表示をするためのライブラリやAPIも充実してきました。ブラウザも進化して2Dベースのキャラフレに、3Dの球体マッピングを組み合わせることが現実的になってきましたので、本年度の修学旅行に向けて球体マッピングのテストを開始しています。
キャラフレVRビューのテストは、「あしかがフラワーパーク」にて「大藤」マップでご覧頂くことができます。
このマップは藤の花までの距離が近いため、パノラマステッチした素材を平面に表示すると大きく歪んでしまっていました。
これを表示時に球体マッピングすることで、歪みを取り除いた表示ができます。
下から見上げる藤の花は圧巻です。ぜひご堪能ください。
私自身、VRにはたいへん興味がありますし、自然の雄大な風景を没入感あるパノラマビューで鑑賞することは、癒やしの効果としてもたいへん有意義であると考えています。
ただ、ヘッドマウントディスプレイのようなデバイスが普及するまでは、まだ時間がかかるでしょう。
必ずしもフルVRにこだわる必要はなく、スマートフォンやPCなどの身近なデバイスで、その場に行ったような気分を、それなりに楽しめるくらいのバランスが現実的だと考えています。
※現時点での制約事項:ゲーム内カメラからの撮影は従来通りとなりますので、ゲーム内表示と撮影画像は厳密に一致しません。