本当に、待ちに待ったという言葉が相応しい2004年11月、α-7 DIGITALの登場です。
2003年にコニカと合併することで、社名がKONICA MINOLTAとなっており、ボディの刻印もKONICA MINOLTAとなりました。
初のボディ内蔵手ぶれ補正を搭載し、ほとんど全てのαレンズで手ぶれ補正が使えるということを鳴り物入りに登場しましたが、往年のαショック程には話題になりませんでした。
画素数も610万画素と、同時期のライバルが800万画素に達していたことを考えると物足りませんでしたが、私にとってはαレンズ資産が使えるということが何より嬉しかったのです。
αマウント搭載本格デジタルカメラ:α-7 DIGITAL
α-7 DIGITALのもう一つの特徴は、フィルムメーカーであったKONICAの技術者が合流したことにより、徹底的にフィルムの色再現にこだわったチューニングがなされたということでしょう。今の時代でこそ別途RAW現像するのが当たり前になってしまいましたが、当時は JPEGのまま使うことも多く、撮ったままでも深みのある色再現が特徴でした。
センサーはAPS-Cサイズですので、35mm換算で1.5倍となります。
単純に、望遠に強く広角に弱いということになりますが、当時はそれ以上の大型センサーが、アマチュアに手の届くものとしては存在しておらず、フルサイズは夢のまた夢のような時代でした。
以前の話に登場した、80-200mmのレンズは、約120~300mm相当の望遠ズームになります。また、超広角12-24mmは、約18mm~36mm相当ということで平凡な広角ズームになります。
旧レンズとの写りの差を確認するために、キットレンズの 17-35mmも購入しましたが、そちらが約25mm~52mmという標準ズームという感覚です。
もっぱら旧レンズとの組み合わせで使うことになりますが、α-7 DIGITALのガッシリしたボディは、重量のある80-200 F2.8とのバランスもよく、写りも良好。
世田谷区のベランダから望む富士山。300mm相当
シグマの12-24は広角端が18mmとなり、やや物足りませんが、レンズの中央部分のみを使うので、シャープで自然な写りになります。
こちらは18mm相当の広角
理想的なサブカメラも登場:α-Sweet DIGITAL
それからしばらくして、低価格機のα-Sweet DIGITALも登場します。センサーは610万画素とα-7 DIGITALと共通なのがうれしいところ。
コンパクトなボディはサブ機に最適で、理想の2台持ち体制がそろいました。
当時、センサーに付着するゴミ問題には頭を悩まされましたが、レンズ交換を最低限にするために、今以上に2台持ちがありがたかったと記憶しています。
現在はセンサーを振動させてゴミを落とすアンチダストの機構もあり、メーカーに持ち込んでのクリーニングも気軽にできるようになり、昔ほどはレンズ交換に神経を使わなくなりました。それでも回数が少ないに越したことはないと思っています。
そしてSONYへ
その後KONICA MINOLTAはカメラ事業から完全撤退を発表し、αはSONYへと事業譲渡されます。
KONICA MINOLTAの技術者もSONYへ移籍したとのことで、伝統や技術は無事継承されたようですし、私は理想的な事業の移行だったと思っています。
個人的にも映像機器で愛着のあるSONYへの移行は大歓迎で、特にスタミナバッテリーで定評のあるSONYの技術によりバッテリーの持ちが良くなることに期待しました。