『 JASRACの「独占禁止法違反」が最高裁で確定か?』のニュースについて

2006年に著作権管理業界に新規参入した「イーライセンス」が公正取引委員会の審決を提訴していたものです。『JASRACの「独占禁止法違反」が最高裁で確定か?

「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の音楽著作権使用料の徴収方法が「独占禁止法違反」に当たるかという訴訟で、最高裁は高裁判決を見直す際に必要な弁論を聞かずに28日に判決を言い渡すことを決めた。

東京高裁の「JASRACの徴収方式が新規参入を妨害している」という判決が確定する見通しだ。

作曲やDTMなどの創作に携わっている人は、興味がある分野だと思います。折角の機会なので、JASRACと音楽著作権について考えてみましょう。

JASRACの便利なところ

JASRACは音楽著作権の管理団体で、楽曲の使用料を徴収し、著作権者へ分配するための団体です。楽曲を使いたい人は、著作権者から直接許諾をとらなくても、JASRACと契約するだけで、楽曲を使用できることになり、著作権者はJASRACに管理を委託すれば、どこで使われたか調べる必要なく、著作権料が支払われます。

考え方はとても合理的ですね。

ただ、我々ゲーム業界からみると、ゲームの場合はJASRAC管理楽曲であっても、別途個別の利用許諾をとる必要があり、あまり便利ではありません。これはまあ、しょうがないとして今回はおいておきましょう。

JASRACの不平等なところ

著作権者に適正な分配金が支払われるのであれば何ら問題ないのですが、手放しで喜べない側面もあります。最近で記憶に残ってるのは以下の事件

JASRACに訴えられた男・ファンキー末吉氏独占インタビュー ~ JASRACという「ブラックボックス」

ファンキー末吉氏(以下「末吉」) :このお店、自分の曲を自分で歌う人が多いんです。私も今日ジャズのライブですけど、ほとんど自分の曲なんですよ。一番腹が立つのは、「自分の曲を演奏してお金を払って、それでいくら自分の所に戻ってくるのかが分からないのはおかしいでしょ」ってことですよ。

ミュージシャン兼ライブハウス経営者であるファンキー末吉氏は、自分の曲を演奏するためにお金を払わなければらない、そしてそのお金が著作権者である自分のところに適正に戻ってこないという主張です。この論争は、ついにファンキー末吉氏がJASRACから告訴を起こされたということで、音楽関係者、とくに著作権者側の作家やミュージシャンを驚かせました。

要するに、JASRACは使用される楽曲全てをカウントすることは膨大なコストがかかって不可能なので、一部の店舖からサンプリングしその比率に応じて分配しているということです。ということは、あまり使用されないマイナーな楽曲がサンプリングの中に含まれなければ、その楽曲の使用料が、たくさん使用されたメジャーなアーティストに上乗せされる形で支払われる理屈になります。

海保けんたろー(以下「海保」) :分かります。僕も10年位バンドやってて、過去JASRAC登録してた曲もあるので調べたんです。僕らも、もう10年間ずっと自分たちのオリジナル曲を色々なライブハウスで演奏してきたのに、演奏権でのJASRACからの分配ってのが0円だったんですよ。1円も来ていない。

これでは、無名なアーティストは損をして、有名なアーティストがより儲かる仕組みとなってしまいます。

キャラフレではJASRAC管理楽曲は使えない

キャラフレでは、JASRACとの契約をしていませんので、JASRAC管理楽曲をキャラフレの中で販売したり、無料であっても流すことはできません。

実は、以前にJASRACと契約の交渉をしたことがありますが、交渉がうまくまとまりませんでした。JASRACの契約には、再生回数をカウントせずに幾らと契約する方法と、再生回数をカウントして、提出し、金額を払う契約方法があります。

我々の立場から考えると、JASRAC管理楽曲を販売して、売れたら「1曲についていくら」が、最も望ましいのですが、JASRACに払うお金は配信回数で決まります。つまり、一人のユーザーが曲を買って何十回も再生したり、イベントで使って何十人にも聞かせたり、ブースのBGMに使って何十人も出入りしたりすると、曲の売上よりも著作権料が大きくなってしまうこともありえるわけです。

一方のカウントしない契約で考えると、別の問題がおこります。

JASRACは、曲の売上の何%ではなく、サイト全体の売上の何%という計算だと主張してきます。つまり、衣装などのアイテム売上が殆どで、曲の売上がわずかであっても、衣装等の売上からも著作権料を請求すると言うのです。

とっても納得いかないですよね(笑)おそらく、音楽を売っているサイトは音楽サイトだ、という決めつけでルールが作られており、音楽を主たる売上にしていないサイトで音楽も販売しているという事例がないのでしょう。

そんな理由で、キャラフレではJASRAC管理楽曲は、一切取り扱うことができません。

結論

私がJASRACとやりとりした経験から思うことは、こちらは適正な利用料であれば払いたい気持ちは充分あるのに、融通の利かない対応だったという印象です。

今回の裁判をきっかけに、合理的な著作権管理の仕組みが生まれたり、JASRACに柔軟で公正な管理体制が敷かれることを期待します。

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